<新型コロナ>自粛事業者への休業補償は? 似て非なる「給付金」あり

2020年4月9日 02時00分
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言を受け、全国知事会は休業を余儀なくされた事業者への損失補償を国に求める提言をまとめました。しかし政府は損失補償に難色を示しています。七日に発表した経済対策に政府は売り上げが急減した中小企業や、個人事業者への最大二百万円の給付金支給を盛り込みましたが、この給付金と、休業する事業者への損失補償はどう違うのでしょうか。 (吉田通夫)
 Q 七日に発表された事業者への給付金はどのような仕組みですか。
 A 今年一月から十二月までのどこかの月で、売上高が前年同月の半分以下に減った事業者が支給対象です。その月の売上高を十二倍し「激減した状態が一年続いたと仮定した年間の売上高」を計算、前年の売上高との差額分を一回だけ支給する仕組みです。五月の開始を目指していますが、中小企業は二百万円まで、個人事業主は百万円までという上限があります。
 Q なぜ複雑な計算方法にしたのですか。
 A 政府は経済のV字回復を期待しており、売り上げの激減が一年続くと想定していません。しかし売り上げの激減が一年続くと仮定した計算方法にすることで「より多額の給付金が事業者に渡るようにした」と説明しています。
 Q 休業する事業者への損失補償は、給付金とどう違うのですか。
 A 似て非なるものです。事業者側は政府の要請に応じて休むのだから、このために減る売上高や収入を補償すべきだと求めてきました。しかし今回の給付金の方は休業の有無には関係なく、月の売上高が激減したかどうかで対象を絞ります。ただ給付額には上限もあり、不満も聞かれます。
 Q 政府は、なぜ休業を迫られる事業者への損失補償には後ろ向きなのですか。
 A 損失を補償すれば、国の借金である国債への依存度が高まります。財政に余力がないことが補償に消極的な一因とみられます。政府は無利子・無担保の融資枠を拡大するなど、企業の資金繰り支援には力を入れていますが、これは返済しなければならないお金です。感染がいつ終息するか見通せない中では、借り入れを躊躇(ちゅうちょ)する事業者も多いのが実態です。

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