検察側、被害者の生きる意思主張 弁護側は「殺害承諾」反論<座間事件公判>

2020年10月6日 05時50分
 神奈川県座間市のアパートで男女9人を殺害、遺体を損壊、遺棄したとして、強盗強制性交殺人罪などに問われた無職白石隆浩被告(29)の裁判員裁判第2回公判が5日、東京地裁立川支部(矢野直邦裁判長)で開かれた。自殺願望を示した被害者が殺害を承諾していたかが最大の焦点。冒頭陳述で、検察側は被害者が生きる意思を被告に示した後に殺害されたと主張したが、弁護側は承諾があったと反論した。(沢田千秋、林朋実)

◆「生きていこうと思う」メッセージ送信

9人の切断遺体が見つかった神奈川県座間市のアパート=2017年

 審理は、被害者9人を事件発生の時系列で3人ずつに分離。2017年8月に殺害された21歳と15歳の女性、20歳の男性について始まった。
 検察側の冒頭陳述によると、白石被告は最初の被害者に自殺を思いとどまらせ、自分との同居を提案した後に殺害。2、3人目の被害者は殺害当日や前日、被告に「いろいろ考えた結果、生きていこうと思います」などのメッセージを送信していたが、殺害された。
 また、被告は被害者3人に、失踪を装うため、神奈川県・江の島の海に携帯電話を捨てて来るよう指示。しかし、全員が携帯電話を海には捨てず、駅のトイレやコインロッカーに隠すなどした。検察側は「被害者は前向きなメッセージを発信していた」と、殺害への承諾を否定した。

◆弁護側証人の精神科医が出廷

 弁護側は、被害者3人が、性的指向や学校生活、失恋などを巡り、不安定な精神状態にあったと指摘。白石被告に「首絞めでお願いします」「首つりがいいです」など、殺害方法と殺害日を指示したとして、承諾があったと主張した。
 死にたいと願う「希死念慮」を巡っては、弁護側証人として精神科医が出廷。「もう自殺は考えていないと言って自殺する人もいる」として、希死念慮の有無を測る困難さを証言。一方で「自殺したいと殺されたいは別の話。死にたいと言っている人が殺されたいと言っているのを、あまり聞いたことがない」と話した。

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