【独自】Go To Eat 開始の裏で… 経産省がもくろんだある「優遇」策

2020年10月6日 05時57分
 飲食店を支援するため1日から始まった「Go To イート」で、政府が店に負担のない「プレミアム付き食事券」事業より、予約サイトへの手数料を必要とする「ポイント付与」事業を重視していたことが分かった。現状では1534億円の予算を両事業に等しく配分しているが、4月の政策決定時には、経済産業省が9割をポイント付与に振り分けようとしていたことが判明。手数料負担から事業への参加を見送る店もある中、予約サイト優遇の構図が鮮明となった。

◆予約サイトが受け取る「委託料」と「手数料」

 ポイント付与では、飲食店は国が委託した「ぐるなび」など予約サイトに登録する必要がある。委託を受けた15サイトのうち大手を含む10サイトは国からの委託料に加え店からも手数料を徴収。コロナで売り上げが急減した個人店などは登録を見送る動きが出ている。税金を使う事業なのに法人経営の大規模店に比べ、個人経営の飲食店は競争上、不利になりやすい構造だ。
 イートを当初主導していたのは経産省。飲食店支援を含め「トラベル」「イベント」「商店街」の4事業を「Go To キャンペーン」として、4月に国会で成立した2020年度第1次補正予算に一括して計上。イートではポイント付与に9割の予算を配分することにしていた。

◆経産省に批判が集中

 だが、実態のない団体への委託などが批判された持続化給付金問題をきっかけに、キャンペーン予算の約2割に当たる3095億円が事務委託費に費やされる点に批判が集中。経産省が一手に配分する体制から「トラベル」は国土交通省、「イベント」と「商店街」は経産省と、各省への事業分割を迫られる事態になった。イートを直接担当するようになった農林水産省は、食事券とポイント付与の配分をそれぞれ767億円ずつの「5対5」に見直した。
 農水省の担当者は「飲食業界に対するヒアリングで、食事券への要望が出た」と見直し理由を説明。実際、飲食業界から「(ポイント付与は)手数料負担もあり、食事券の発行に重点を置いてほしい」という声が上がった。

◆生煮えのGo To キャンペーン

 一方、予約サイトをより優遇する当初の予算配分について、経産省広報室は「農水省の事業なのでコメントは控える」と述べるにとどまる。農水省関係者は「経産省はもともと、飲食店支援ではポイント付与だけしか検討していなかった。(予算成立前に)農水省から食事券の導入を提案し、1割分の予算が付いた」と当時の状況を明かす。
 キャンペーン4事業を巡っては、「官邸の意向を受け経産省がスピード最優先で取りまとめたため、政策として生煮えだ」(財務省幹部)との指摘が政府内にもある。イートより先に始まったトラベルでも、高級宿に利用客が集中。ビジネスホテルや民宿などに支援が行き渡りにくい公平性の問題が生じている。(森本智之、桐山純平)

 Go To Eat  新型コロナで打撃を受けた飲食店支援のため1日から開始。(1)購入金額に25%上乗せした食事券の発行(2)予約サイト経由の来店客に昼食で500円、夕食で1000円分のポイント付与の2本立て。ポイント付与については業務委託料61億円(予算ベース)で15の予約サイトに運営を委任。10サイトはさらに、客1人につき昼食で50~100円、夕食は200円程度の手数料を飲食店から徴収している。

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