座間9人殺害事件・冒頭陳述

2020年10月6日 05時50分

【検察側】

 座間9人殺害事件の被害者のうち、A~Cさんに関する検察側冒頭陳述の要旨は次の通り。
<人の共通点>
 被告の殺害計画を知らず、同意や承諾をしていなかった。当初の自殺意思を撤回するメッセージも送信していた。携帯電話を海に捨てるなど、失踪を装う方法を指示されたが、駅のトイレやロッカーに放置した。
<Aさん>
 当時21歳の女性。会社員として真面目に働き、前向きに生きようとしていた。被告と2017年8月15日に公園で会ったが、死ぬのをやめるとメッセージを送った。被告はまとまった貯金を持つ女性のヒモになろうと、同居を提案。現場アパート契約のため51万円を被告の口座に入金させた。被告は女性に自殺の気配がなく、ヒモになるのも難しいと判断。23日に自宅で隙をついて首を絞めて失神させ、乱暴。ロープで女性の首をつって窒息死させ、所持金数万円を奪った。遺体を切断し、クーラーボックスに隠すなどした。
<Bさん>
 当時15歳の高1の女性。被告はAさんの事件で味をしめ、金づるにならないなら乱暴して殺害し、金を奪おうと考え、クーラーボックスを追加購入。自殺仲間をツイッターで募集していたBさんにメッセージを送り、会う約束をした。28日にBさんは被告と現場近くの公園を散歩した後、「生きていこうと思います」と伝えた。被告は失踪を装う方法を指示し、自宅に引き入れて首を絞め、失神させて乱暴。殺害して数千円を奪った。
<Cさん>
 当時20歳の男性。Aさんとネット上の知人。知的障害者支援施設で働き、バンド活動もしていた。被告に自殺を手伝ってほしいと送信したが、29日に被告と会って話す中で自殺する気を失い「俺、これからはちゃんと生きていきます」と送信。Aさん殺害の発覚を恐れた被告は、しばらく自宅にいてはどうかと男性を説得。30日未明に首を絞めるなどして失神させて殺害。数千円を奪った。

【弁護側】

 座間9人殺害事件の被害者のうち、A~Cさんに関する弁護側冒頭陳述の要旨は次の通り。
<3人の共通点>
 殺害されることを承諾していた。3人ともそれぞれ深い悩みに基づき、白石隆浩被告とつながっていった。不安定な精神状態にあり、殺害方法や日にちを伝え、自らの意思で被告のところに向かった。被告の手で死が実現すると想定していた。
<Aさん>
 中学でいじめに遭い、高校生の時に1カ月ほど家出して行方不明になった。帰宅したが睡眠薬を大量に飲むなど不安定さが増す中、2013年、インターネットで知り合った女性と自殺を図った。自分だけ生き残ったことに悩み、自殺未遂を繰り返した。被告と知り合い「首絞めでお願いします」と依頼した。殺害前日には別の人物にSNSで「殺されたい」と伝えた。
<Bさん>
 中学・高校時代、学校の宿題を期限までに終わらせられなかった。学校に行きたくない思いが強まった。夏休みが終わる直前、自殺関連サイトを閲覧し「一緒に死んでくれる人いませんか」と書き込んだことから被告とつながった。学校再開の日の死を希望し、北関東から被告の住む神奈川県に向かった。被告と会った後に自宅に帰ろうとしたが、自殺関連サイトを閲覧し、被告の所に戻って殺害された。
<Cさん>
 小学生の頃から対人関係に悩みがあった。高校卒業後、知的障害者支援の仕事を始めたが、長時間労働などがあり、不眠の症状が出た。17年に2年間交際した女性に別れを告げられ、睡眠薬を飲んで自殺を図った。音楽が好きでバンド活動をしていたがリーダーに叱られ、命を絶つため被告と連絡を取るようになった。「苦痛は少しあっても構いません」と告げ、方法や日にちを伝えた。遺書を残し、被告の元に向かい、殺害された。

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