安倍政権時から水面下で選考に関与 学術会議

2020年10月7日 06時00分
 日本学術会議の会員候補の任命拒否問題を巡っては、「任命は形式的」との政府見解があったにもかかわらず、安倍政権の時から事前に定員を超える人数の候補者名簿の提示を求めるなど水面下で選考への関与を図っていたことが明らかになった。今回は会議側との事前折衝が不調に終わった結果、6人の任命拒否という形で関与が表面化した。
 日本学術会議の会員数は210人。任期は6年で、3年ごとに半数の105人が交代する。今回は会議側の正式な推薦者が任命されなかったが、事前協議で官邸側が難色を示した事例が過去にあった。
 会員3人が2016年に定年を迎えて補充する際、政府は会議側が事前にまとめた推薦案に同意せず、会議側が正式な推薦を見送って欠員が生じたという。18年も政府が同様に会議側の推薦案に難色を示して補充できなかった。
 前回の交代年だった17年には、正式な推薦者を決める前に、政府が交代数より多い名簿を示すように要請。会議側は110人超の候補者を提示して調整を進めた上で、最終的に105人を推薦して全員が当時の安倍晋三首相に任命された。内閣府は18年に「任命すべき会員の数を上回る候補者の推薦を求め、その中から任命することも否定されない」との法解釈を内閣法制局に確認した。
 今年の任命でも、政府は選考に関与できるような事前調整を求めたが、会議側は応じずに105人の推薦者を提示した。政府高官は「前回は向こうもいろいろと工夫してきたが、今回はぎりぎりまで待ったのに何もしてこなかった」と突き放した。(井上峻輔)

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