GoTo事業 目的に合っているのか

2020年10月7日 07時10分
 コロナ禍で苦境に立つ観光産業や飲食店を支援する「Go To事業」が本格化している。救済は当然だが、政策目的とのずれも目立っている。公平な制度かどうか再検証の必要があるだろう。
 今月から始まった「Go To イート」は、食事券の補助やオンライン予約を通じたポイント付与により外食産業を支援するのが目的だ。
 ポイント付与では、参加する飲食店が国の委託を受けた予約サイトに登録する仕組みになっている。だが多くの予約サイトは飲食店に手数料を求めており、負担の重さから登録を敬遠せざるを得ないケースが出ている。サイト側は国から委託料も得ている。
 外食産業の中で今、最も支援が必要なのは規模の小さな飲食店のはずだ。この中には予約サイトと縁遠かった店も多いだろう。
 しかし現行の仕組みでは、元々予約を通じてサイトと関係があり手数料も負担できる中規模以上の店や、予約サイト自体への支援に偏り過ぎているのではないか。事業の効果が隅々まで行き届いているかどうか、実態調査を早急に行うべきだ。
 イートより先に始まった「Go To トラベル」でも課題が浮かび上がっている。宿泊と商品券をセットにしたり、合宿での自動車免許取得に事業を利用するケースだ。
 商品券は換金性があり、事業の目的から逸脱しているのは明らかだ。商品券などの付与ができないよう周知徹底を求めたい。
 自動車免許にしても観光かどうかは議論が分かれるだろう。合宿コースのない自動車学校もあり不公平感は否めない。
 トラベルでは補助額の大きくお得感のある高級宿に客が集中し、ビジネスホテルや民宿は依然苦戦する状況も続いている。
 事業の本来の目的はあくまでコロナ禍で経営難に陥った観光・外食産業全体の救済だ。トラベルには約一兆三千億円、イートに約二千億円もの予算がつぎ込まれる。税金を使う以上、政策目的とのずれは許されない。
 東京商工リサーチの調査では今年一〜八月の休廃業・解散企業は前年同期比で23・9%増。多くは観光を軸としたサービス業だ。
 観光や飲食店救済には国民的合意が図られている。だが公平さを欠いたり行き過ぎがあれば看過するわけにはいかない。制度設計を再点検し、必要であれば大幅修正もためらうべきではない。  

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