台風で浸水被害 戸田ボートコース 市が独自に警戒情報

2020年10月7日 07時35分

台風19号の大雨で水位が上がった戸田ボートコース=2019年10月、戸田市で

 ボート競技の聖地とされる戸田市の戸田ボートコース。昨年十月の台風19号の襲来時は水位が上昇してあふれ、周辺一帯が浸水被害に見舞われた。その教訓を生かそうと、市は水位に応じた警戒情報の発信を独自に始めた。今季の台風シーズンに備え、住民らに早めの行動を促すための取り組みだ。(近藤統義)
 ボートコースは長さ二千四百メートル、幅九十メートル、水深二・五メートル。大雨が予想されると、周辺の河川や水路に事前放流して水位を下げている。しかし、昨年の台風19号の際は西側を流れる一級河川の笹目川が増水し、水門を越えて水が流入。コースの水位が上がり、艇庫や周辺の住宅街に水があふれ出た。
 あらかじめコースの水量をもっと減らしておけば対応できたかというと、そう簡単でもない。戸田競艇企業団の担当者は「消波装置などボートの関連設備が多くあり、水位を低くし過ぎると故障の原因になる」と説明。競技施設ならではの限界がある。
 こうした事情を踏まえ、市はコースと笹目川の水位の変化に応じ、(1)流入(2)溢水(いっすい)注意(3)溢水警戒(4)溢水−の四段階の警戒レベルを策定した。(1)はコース内への流入が始まり、(2)と(3)は水位が上昇している段階、(4)はコース周辺にも水があふれる状態を示している。
 (4)になると、住民が垂直避難など身の安全を守る行動を迫られる目安となる。これらの情報は市ホームページや防災行政無線で発信する。市の担当者は「コースからの溢水は昨年までしばらくなかった事態。早めに周知していくことで、災害への備えに役立ててほしい」と呼び掛けている。

◆水害に水陸両用車 春日部市など訓練

水害を想定し、水陸両用車で要救助者を運ぶ訓練=春日部市で

 多くの浸水被害があった昨年十月の台風19号から一年となるのを前に、春日部市は九月二十五日、大規模水害を想定した救助訓練を行った。春日部署や市消防本部、支援協定を結ぶ民間企業と災害発生時の協力態勢を確認した。
 訓練は同市金崎の庄和総合公園内にある池を浸水エリアと見立てて実施し、約四十人が参加した。
 取り残された要救助者から通報を受けた消防は、市防災対策課に連絡。同課は、水陸両用車を所有する市内企業「サポートマーケティングサービス」に派遣を要請した。水陸両用車はパトカーの先導で現場に到着。池の中を進んで要救助者の元に向かい、岸辺まで運んだ。
 市内では昨年の台風19号で床下、床上合わせて約五百軒の浸水被害があった。訓練を見守った石川良三市長は「昨年は初めて市内全域に避難勧告が発令された。人命救助には迅速に取り組みたい」と話した。(近藤統義)

関連キーワード

PR情報

埼玉の最新ニュース

記事一覧