「国と東電は上告せず、早期救済を」原告らが要請 原発事故被災者訴訟の仙台高裁判決受け

2020年10月7日 19時50分
 東京電力福島第一原発事故の被災者訴訟で国の責任を認めて賠償を命じた仙台高裁判決を受け、原告2人と弁護団3人が7日、首相官邸や東電本社を訪れ、上告しないよう求める文書を担当者に手渡した。東京・永田町の議員会館前では小雨の中、支援者らと「国は1日も早い救済に向けた協議の場をつくるべきだ」と声を上げた。上告期限は14日。

支援者らを前に原告弁護団の菊池紘弁護士(左)は「国や東電に上告させることなく確定させて、被災者の被害を弁償させよう」と訴えた=10月7日、東京・永田町の議員会館前で

 この日は原子力規制委員会も訪れた。要請文では、判決が国について「規制当局に期待される役割を果たさなかった」と指摘するなど、対策を怠った東電と国を厳しく批判する内容だったことに触れ、判決を確定させるよう求めている。

◆「国の責任は仙台高裁判決で決着」

 国の責任を巡っては、集団訴訟の地裁判決13件のうち6件が否定しているが、弁護団の馬奈木厳太郎弁護士は「仙台高裁判決は決着をつけた。国の責任を否定した判決の論拠について、一つ一つ丁寧に批判し説得力がないことを明らかにしている」と強調した。
 他の訴訟の原告も駆け付け、来年1月に東京高裁で判決を迎える丹治杉江さん(63)=前橋市=は「仙台高裁判決の内容を後退させてはいけない。皆さんと一緒に喜びたい」と語った。 (小川慎一)

関連キーワード

PR情報

社会の最新ニュース

記事一覧