「冨嶽三十六景」一挙公開 来月まで 熱海・MOA美術館で企画展 富士山や当時の生活 北斎が描いた全46図

2020年10月8日 07時29分

「神奈川沖浪裏」(いずれもMOA美術館提供)

 江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎(1760〜1849年)の代表作「冨嶽(ふがく)三十六景」の全作品を一挙に公開する企画展が、熱海市のMOA美術館で開かれている。富士山の多様な表情や当時の人々の暮らしが垣間見られる。木曜休館で、11月10日まで。(山中正義)
 「三十六景」は、富士山を望むさまざまな場所から描いた浮世絵風景版画。独創的な構図と、「北斎ブルー」とも呼ばれる舶来の顔料「ベロ藍」を使った鮮やかな発色で、高く評価されている。当初刊行されたのは36図だったが、好評で後に10図を追加した計46図から成る。
 中でも、崩れ落ちそうな高波の間からのぞく富士山を描いた「神奈川沖浪裏」や、朱色に染まり、赤富士の名でも親しまれる「凱風快晴」、天上の青空とは対照的に山麓に稲妻が走る「山下白雨」は三役として親しまれている。
 人々の暮らしぶりを全面に出し、富士山は遠方に小さく配置した作品や、夏の富士山を描きながら湖面の逆さ富士は雪で覆われた冬といった不思議な作品もある。
 同館の担当者は「一挙に公開するのは他ではなかなかなく、所蔵品は色がきれいなものが多い。富士山と当時の人々の暮らしを見て楽しんでほしい」と話す。
 開館は午前9時半〜午後4時半。入場料は中学生以下無料、高校生・大学生1000円、一般1600円。問い合わせは、MOA美術館=電0557(84)2511=へ。

「凱風快晴」

富士山を遠方に小さく配置した「尾州不二見原」


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