立川志らく × 半蔵門

2020年10月29日 12時01分

落語家にとって特別な半蔵門の国立演芸場


今回のゲストは、落語家の立川志らくさん。独演会など落語の世界だけでなく、最近では情報番組やワイドショーでも活躍されています。ご案内いただくのは、半蔵門の街。この街に建つ、落語家にとって「特別な空間」だという国立演芸場でお話をうかがいました。

落語をするための場所、聞くための場所


「ここ国立演芸場では、2015年から『志らく落語大全集』っていう独演会を春夏秋冬、年に4回やらせてもらっています。2031年まで高座でやるネタ(演目)をぜーんぶ決めてるんですが、そのころわたし66歳か……元気にやってるかしらね」
 国立演芸場が竣工したのはいまから40年以上前、1979年のこと。東京にある定席(寄席)と比べるとかなり新しい部類に入る。
「たしかに歴史は浅いです。でもね、ここは国立でしょう? 国が落語の演芸場をつくるってのを初めて聞いたとき、学生の身ながらホントに衝撃でした。うれしかったというよりビックリした。落語が斜陽の時代でしたからね、大丈夫かい日本と(笑)」
 高座を聞いてみて2度ビックリ。落語のためにつくられた場所なだけあって、前に座るお客さんの頭が邪魔にならないように席が配置されている。どこからでも落語家の所作が見え、会場の後ろまでよく通る声から細かな情景が浮かんでくる。
 そうした設計がハナからされている、「噺家とお客さんにとって特別な場所」なのだそうだ。

今しかできない落語には、価値がある


「さっき客席からお写真を撮ってもらったでしょう。客席から高座を見ることがほとんどないので、とても不思議な感じでした。お客さんの視点に立って、いまの志らくのいいところ、悪いところを見つけ直さないといかんなという想いをあらたにしましたね」
 お客さんの目──この5月からYouTubeで落語を配信している志らくさんの姿は、まさに客席から見たその人そのものだろう。
「寄席や落語会がのきなみ中止になって、そろそろ落語をやりたいなと思っていたのと、後進や落語ファンに向けてはじめました。やっている側からするとYouTubeって無観客の状態ですよね。うちらはお客さんの反応を見ながら語り口を変えたり、マクラ(本題に入る前の小咄)を変えたりするから、無観客だとそれができない。そんな落語、いましかできない落語を残しておくことが大切なんじゃないかなと思ったんです」
 いましかできない落語には価値がある。YouTubeであればそれがいつまでも聞けるのだから、さらに価値が磨かれていく。そんなことを考えながら今日も志らくさんは高座に上がる。目の前にお客さんが、いてもいなくても。

これからの10年、20年を見すえて、落語を盛り上げていく


 取材当日、国立演芸場ではお弟子さんの記念講演「らく次・志らべニ十周年記念落語会」が開かれていた。志らくさんはゲストとして落語を一席打つという。
「2人の弟子が国立演芸場で主役を張れるなんて感無量ですよ。わたしが高座に上がっている姿を見たとき、お師匠さんはどういう気持ちだったのかな」
 志らくさんの師匠といえば、立川流の創始者・故立川談志さんのことだ。談志さんは1987年から2000年まで「談志ひとり会」という独演会を開いていた。会場は長く新宿の紀伊國屋ホールだったが、一時中断。その後、再開した最初の会を国立演芸場でやることになり、志らくさんが開口一番(前座)に選ばれたそうだ。ところが……。
「談志の独演会の開口一番なんてウケるわけないんですよ。だってみんな談志を見にきてるんだもの、聞きにきてるんだもの。前座に興味なんてありゃしない。それでもこっちは爪あとを残さなきゃって躍起になってるから、台詞をわざと間違えたりネタを飛ばしたフリをしたり。『こいつぁどうしようもねぇな』って気にさせないとわたしのことを見てくれないっていうなりふり構わない感じがね……ウケたんです」
 興味がない人をどう振り向かせるか、関心がない人にどうやって興味を持ってもらうか。まさにいまの落語界が抱えている問題点にも共通する。そこで志らくさんは10年後、20年後を見すえ、落語の魅力を世に広げていくためにテレビに出ることを決めた。
「色がつきすぎるから最初は抵抗がありました。ただ、落語家・立川志らくがメディアに出ることで、これまで落語に興味がなかった人との接点が圧倒的に増えます。ワイドショーで司会をやったり、バラエティ番組をやってるのはそういう理由。落語のすそのを広げていくために、わたしにはいまそういう場所が必要なんだと思います」

◇半蔵門図鑑 立川志らくさんのオススメスポット



国立演芸場
「なんといっても国立ですからね。竣工時に学生だったわたしは『落語が国に認められた!』って大興奮しました」
東京都千代田区隼町4-1

TOKYO FM
「映画、昭和歌謡、偉人の名言を紹介する番組を長らくやらせてもらって、台本なしで場を盛り上げる会話の“筋力”はここで鍛えられました」
東京都千代田区麹町1-7

ホテル グランドアーク半蔵門
「真打昇進の祝勝会をここのレストランでやったんですが、そんときの談志のご機嫌ぶりはいまでも覚えています」
東京都千代田区隼町1-1
※新型コロナウィルス感染症の影響で、掲載したお店や施設が臨時休業していたり、営業時間などが変更になっている場合がございますので、事前にご確認ください。

◇立川志らくさんのサイン入り色紙を抽選で1名様にプレゼント



応募はこちらのページに必要事項を記入し送信してください。
締め切りは2020年11月24日(火)まで。
なお、当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。
◇PROFILE
1963年東京都生まれ。85年立川談志に入門。95年真打昇進。落語家、映画監督、映画評論家、劇団主宰と多彩に活動する他、TBSテレビ「グッとラック!」MC、「ひるおび!」コメンテーターなど、月曜から金曜まで帯番組をつとめる。キネマ旬報、東京スポーツなど連載多数。落語大全集、志らく独り会ほか、全国でも独演会を定期開催。第73回(平成30年度)文化庁芸術祭大衆演芸部門優秀賞受賞。
■Twitter @shiraku666
YouTubeチャンネル(ワタナベエンターテインメント公式チャンネル内)
「第四回志らく独り会」
日時/11月5日(木)〜6日(金) 両日ともに開演19時
出演/立川志らく
演目/「せんきの虫」「せんきの虫後日談」
会場/下北沢・北沢タウンホール(東京都)
料金/前売4000円 当日4500円(全席指定)
チケット取扱い
イープラス チケット購入
カンフィティ 電話0120-240-540 チケット購入
ダニーローズ 電話03-6407-0373 メールで予約
※メールでのチケット予約方法
公演日、公演日時、枚数、お名前、ご住所(チケットをご郵送いたしまので、郵便番号まで明記ください)、電話番号(緊急時のご連絡先)を明記して、送信してください。ダニーローズより予約の確認としてご返信させていただきます。

PR情報