<新・笑門来福 春野恵子>予定通りにいかなくて

2020年10月9日 08時10分

「予定のあと先」でご一緒した皆さんと。無事千秋楽を迎えました!

 いま私は大阪・梅田のヘップホールの楽屋にいる。赤い観覧車で有名なビルの最上階にある劇場だ。浪曲の舞台をつとめながら、年に何度か演劇の舞台にも立たせていただいており、この劇場さんにも幾度もお世話になっているが、今回はいろいろな意味で特別な感慨とともに、本日(六日)、千秋楽を迎える。
 関西演劇界をけん引する気鋭の劇作家・演出家である岡部尚子さん(二〇一九年に大阪文化祭奨励賞を受賞されている)率いる劇団「空晴(からっぱれ)」さんの第十九回公演「予定のあと先」というお芝居への客演。十年前から毎回、公演を拝見している空晴さんの舞台に立たせていただけるという喜びを胸に、劇団員の皆さん、そして同じく客演の演劇集団キャラメルボックスのベテラン女優・坂口理恵さんと共に、八月末から稽古を積み重ねてきた。
 フェースシールドをつけ、一時間に一回換気をするなど、感染予防のために細心の注意を払いながら。また、いつもなら稽古後に居酒屋などで(といっても、私はお酒は弱く、飲めないのだが)、作品について、あるいは全然関係ないことだったり(!)について語り合う時間を持つのだが、それも完全に自粛しつつ。
 ちょっとの体温の上昇にも神経質になりながら、いつどんなことが起こり公演が中止になってしまうかも分からないという状況の中、無事に今日を迎えることができた。本当にありがたい。
 本当なら下北沢の駅前劇場で、九月に東京公演を行う「予定」だった。この状況下でそれがかなわず、その代わりに急きょ、オンライン配信を行うことに。東京公演の中止は本当に悔しく残念だったが、これにより「予定」通りであればこの公演を見られなかったであろう方にも楽しんでいただくことができたのだ。
 「予定」通りにいかなかったことがあり、「予定」通りにいかなかったからこそ、できたこともあり。今回の公演タイトル「予定のあと先」に込められた思いが、舞台終盤に出てくるせりふに表されている。許可を頂いたのでご紹介する。
 これがアカンかったら、別。それもアカンかったら、また別。間違ったらその都度やり方考える。そのうち何かがヒットするかもしれへんし。どうにでもなる。どうにだってできる
 それでは、千秋楽の舞台、行って参ります!
 ※「ぴあ」のライブストリームで十一日正午まで、アーカイブ視聴も可能なので、ぜひとも。

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