「学問の自由の脅威」海外科学誌ネイチャーも注目 日本学術会議の任命拒否問題

2020年10月9日 17時12分

日本学術会議の任命拒否問題に触れたネイチャー電子版の社説

 日本学術会議の会員候補6人を菅義偉首相が任命拒否した問題を巡り、欧米の一流科学誌が「政治が学問の自由を脅かしている」と記事にし、海外からの注目を集めている。(デジタル編集部・三輪喜人)
 英科学誌ネイチャー電子版では、「ネイチャーが今まで以上に政治を報じる必要がある理由」と題した10月6日の社説で、学術会議の問題に触れた。
 新型コロナウイルスのパンデミックなどで、世界中でかつてないほど政治家と科学の関係が注目されているとした上で、「やっかいなことに、政治家たちが学問の自由を守るという原則に反発する兆候がある」と指摘。この原則が守られないと、「人々の健康や環境、社会を危険にさらす」としている。
 その例に学術会議の問題を挙げて、政府の政策に批判的だった6人の学者の任命を菅首相が拒否し、「科学者の声を代弁するための独立した組織の学術会議で、2004年に首相が指名を承認するようになって以来初めてのこと」と紹介した。
 ほかに、「ブラジルのトランプ氏」と呼ばれるボルソナロ大統領が、アマゾンの森林破壊が加速していることを公表した国立宇宙研究所長を解任した例や、インドのモディ首相に公的な統計に政治的な影響力を及ぼすことに終止符を打つよう経済学者100人以上が求めた例も並んだ。
 社説は「科学と政治の関係を導いてきた慣習が脅威にさらされていて、ネイチャーは黙ってみているわけにはいかない」と締めくくった。
 また、米科学誌サイエンス電子版は5日、「日本の新首相、学術会議との戦いを選ぶ」との見出しの記事を掲載。ノーベル賞受賞者の梶田隆章・日本学術会議会長が反論という写真を掲げた。
 記事では、首相が任命のプロセスを「混乱させた」として、研究者たちは「学問の自由への脅威とみている」と伝えた。

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