明治天皇の皇后・昭憲皇太后の大礼服を修復 明治神宮などプロジェクト

2020年10月11日 05時50分

明治天皇の皇后、昭憲(しょうけん)皇太后の大礼服を研究・修復するプロジェクトが進んでいる。修復は2022年に完了する予定=京都市中京区の染技連で(横田信哉撮影)

 明治天皇の皇后、昭憲しょうけん皇太后の大礼服たいれいふくを研究・修復するプロジェクトが進んでいる。大礼服は皇族、公家出身の女性が住持じゅうじを務める尼 門跡あまもんぜき寺院の大聖寺だいしょうじ(京都市上京区)に所蔵されており、11月で創建100年を迎える明治神宮(東京都渋谷区)と同寺などが連携して修復に取り組む。修復は2022年に完了予定。大礼服のうち、トレイン(引き裾)の修復過程の一部は17日から明治神宮ミュージアムで特別展示される。(編集委員・吉原康和)

◆明治時代から終戦まで使用された宮廷服

豪華で立体的な刺しゅうが施されている昭憲皇太后の大礼服=京都市中京区の染技連で

 大礼服は明治時代から終戦まで使用された洋式の宮廷服。修復の過程で、洋装を取り入れつつ、日本の技術も活用しようとした姿が浮かんできた。
 プロジェクトは、尼門跡寺院の研究に取り組む中世日本研究所(京都市上京区)のモニカ・ベーテ所長らが、国内の展覧会に展示されてきた大聖寺門跡所蔵の大礼服の金属刺しゅうのモール糸が外れるなどの劣化に気づいたのがきっかけだ。15年以降、ベーテ所長が日米の専門家らに劣化部分の拡大写真を撮ってもらったところ、損傷の進行が判明。「すぐに修復が必要」との助言を受け、同研究所名誉所長で上皇后美智子さまとも親交のあるニューヨーク在住のバーバラ・ルーシュさんと相談。17年、大礼服の危機的状況は美智子さまにも伝えられた。

◆美智子さま「日本人が取り組むべき課題」

 関係者によると、美智子さまは外国人研究者の活動に謝意を示しつつ、「大礼服は貴重な日本の文化財であり、日本人が取り組むべき課題」などと考え、自身も支援の気持ちを示されたという。これを受け、明治天皇と昭憲皇太后が祭神である明治神宮も、このプロジェクトに協力することになった。19年3月、同神宮や大聖寺、中世日本研究所などをメンバーとする実行委員会が設立された。

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