宇宙で昇降 超小型衛星完成 静岡大・能見公博教授が発表

2020年10月11日 15時26分

宇宙空間で稼働する超小型軌道エレベーター「STARS−EC」のイメージ=静岡大学 能見研究室提供

 静岡大工学部の能見公博教授は、宇宙空間で昇降機として動かす宇宙エレベーターの実験に用いる超小型衛星「STARS−EC」を完成させたと発表した。二〇二一年に打ち上げる予定。実現すれば、宇宙空間で昇降機の稼働は世界初となる。将来的には、人工衛星やロケットの残骸など宇宙ごみの除去に用いることを目指している。 (細谷真里)
 一辺十センチの立方体の衛星三基で構成。両端の衛星から長さ約二十二メートルのケーブルが延び、真ん中の衛星を昇降機として動かす仕組みだ。
 一八年九月にも超小型衛星「STARS Me」(愛称てんりゅう)を打ち上げたが、台風でアンテナが壊れるなどして交信できず、実験がかなわなかった。真ん中の昇降機部分がモーター搭載の樹脂製品だったが、衛星にすることで細かな指令ができるようになる。今回は太陽光発電パネルも搭載し、長時間の実験が可能になる。
 開発には、能見教授がプラスチックリサイクル業「中部日本プラスチック」(浜松市東区)の雪下真希子社長と立ち上げたベンチャー企業が開発作業や事務手続きで協力した。通常は一年以上かかる開発期間を九カ月に短くした。
 このベンチャーでは、宇宙ごみを回収して宇宙基地に持ち込み、部品を再利用する仕組みづくりを構想。超小型衛星の販売や宇宙リサイクルサービスの開発を目指している。

宇宙エレベーターの実験に用いる超小型衛星「STARS−EC」。後方は静岡大の能見公博教授(右)と中部日本プラスチックの雪下真希子社長=9月25日、浜松市中区の静岡大浜松キャンパスで(畦地巧輝撮影)

 九月二十五日に行われた発表で、能見教授は「成功すれば、一〜二年かけて、速く動かすなど、さまざまな動作を試したい」、雪下さんは「やらまいか精神で、浜松で素晴らしいものづくりができ、世界に発信できることを知ってもらえたら」と語った。
 地上と宇宙ステーションを結ぶ実験のための超小型衛星「STARS Me2」を二〇年度に打ち上げ予定だったが、「STARS−EC」打ち上げの後にずれる見通し。

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