大富豪ブルームバーグ氏が罰金肩代わりで元受刑者が投票可能に? 「犯罪行為」トランプ氏は反発

2020年10月11日 21時08分
元受刑者の投票を支援するため巨額の寄付をしたブルームバーグ氏=2020年3月、フロリダ州で、白石亘撮影

元受刑者の投票を支援するため巨額の寄付をしたブルームバーグ氏=2020年3月、フロリダ州で、白石亘撮影

  • 元受刑者の投票を支援するため巨額の寄付をしたブルームバーグ氏=2020年3月、フロリダ州で、白石亘撮影
 米大統領選の激戦州である南部フロリダ州で、元受刑者の投票する権利が争点に浮上している。同州では元受刑者は罰金などの過去の借金を返済しないと、投票できない制度があるが、大富豪のブルームバーグ元ニューヨーク市長が巨額の寄付で返済を肩代わりすると表明。これにトランプ大統領は「民主党に投票を促している」と反発している。(ワシントン・白石亘)

◆「民主主義の基本」 投票権の制限に批判強く

 「投票権は民主主義の基本だ。いかなる米国人もその権利を否定されるべきでない」。ブルームバーグ氏は先月、元受刑者が投票権を取り戻せるように1600万ドル(約17億円)を寄付すると発表した。
 同州では元受刑者に投票権はなかったが、2年前の住民投票で140万人の元受刑者(殺人罪や性犯罪などを除く)に投票権が認められた。元受刑者は黒人やヒスパニック系が多く、民主党支持者の割合が高いとされる。これに対し、与党共和党が多数派の州議会は、元受刑者が裁判所に抱える罰金や弁護費用などの借金を返さないと、投票を認めない法律を成立させた。
 だが、投票権を制限してきた制度に対する批判は強い。フロリダ大の調査では、借金のため投票が認められない元受刑者は77万人に上る。ブルームバーグ氏は民主党候補バイデン前副大統領を支持しており、米メディアによると、3万2千人の元受刑者の借金を肩代わりするという。

◆州司法長官は違法性の調査を表明

 これに対し、トランプ氏は「犯罪行為だ。『これが金だ。民主党に投票して来い』と言っているようなものだろ?」と反発。同州のムーディー司法長官はこの寄付が法律に違反しないか調査する方針を表明した。
 フロリダ州は全米で3番目に人口が多い大票田で、トランプ氏にとって「フロリダを落とせば再選の見込みはほとんどない」(米CNNテレビ)とされる。
 ノーザン・ケンタッキー大のケネス・カトキン教授は「フロリダでは元受刑者の票数に重みがあり、共和党は必死だ」と指摘。ブルームバーグ氏による資金提供については「罰金納入で国庫に入り、元受刑者が現金を受け取るわけではない」と、法的な問題はないとの見解を示している。

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