北朝鮮の「怪物ICBM」、世界最大級の可能性 米首都やNYを同時攻撃可能か

2020年10月13日 06時00分
 【ソウル=相坂穣】韓国軍合同参謀本部は12日、北朝鮮が10日の朝鮮労働党創建75周年軍事パレードで公開した新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)について、「米韓でさらなる精密分析が必要」と説明した。複数弾頭を搭載する世界最大級の可能性があり、軍事専門家らは今後発射実験が行われる恐れを指摘している。

10日未明に平壌で行われた軍事パレードに登場した新型大陸間弾道ミサイルとみられる兵器。10日付の北朝鮮の労働新聞が掲載した=コリアメディア提供・共同

◆中国やロシアを上回る

 新型ミサイルの全長は推定約25メートル、直径2.5メートル。韓国紙・朝鮮日報は、世界最大とされてきた中国やロシアの新型ミサイルを上回る「怪物ICBM」と指摘した。
 北朝鮮のICBMはこれまで、2017年に発射実験に成功し、射程1万3000キロ以上で米国本土の攻撃が可能とするICBM「火星15」が最大だった。北朝鮮は新型ミサイルの名称を公表していないが、韓国では「事実上の火星16」と推定。複数の弾頭を搭載する「多弾頭型」に改良、射程も延長され、米東海岸の首都ワシントンやニューヨークを同時攻撃する能力を得たとの見方も出ている。
 ただ、複数弾頭を攻撃目標に正確に命中させる技術は極めて高度とされ、ミサイル技術に詳しい韓国・慶南大極東問題研究所の金東葉教授は「北朝鮮は多弾頭型をまだ完成していないと思う」と分析する。

◆米政府は「失望した」

 一方、高麗大統一外交学部の南成旭教授は、技術的な評価は難しいとしつつ「北朝鮮は米朝交渉で何か問題があれば、発射することもあるというカードを米国に示した」とみる。
 新型ミサイルについて米政府は「核ミサイル計画を優先し続けている姿を見て失望した」と批判。米ジャーナリストはツイッターに、トランプ米大統領が北朝鮮に「激怒した」との情報があると書き込んだ。
 パレードには、新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星4A」も登場。米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」は「軽量化や射程を延長する技術などが見られた」とし、北朝鮮が建造中の新型潜水艦に搭載する可能性を指摘した。

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