破られる停戦合意、続く反政権デモ…旧ソ連圏でロシアの影響力限界か

2020年10月13日 06時00分
 【モスクワ=小柳悠志】ロシアが旧ソ連圏で続く紛争や反政権デモへの対応に苦慮している。アルメニアとアゼルバイジャンの軍事衝突では、自ら仲介した停戦合意が破られ、反政権デモが続くベラルーシでは、武力介入を示唆して圧力をかけたにもかかわらず収束のめどが立っていない。このため旧ソ連圏におけるロシアの影響力低下を指摘する声も出ている。

11日、アゼルバイジャン西部の中心都市ギンジャで、アルメニアの攻撃を受けた場所を捜索する救援隊員ら=AP 

◆ナゴルノカラバフで続く銃撃戦

 アゼルバイジャン政府は11日、西部の中心都市ギャンジャの集合住宅がアルメニア軍のミサイル攻撃を受け、住民9人が死亡、子どもを含めて30人以上が負傷したと発表。12日にも両国の係争地ナゴルノカラバフの南部で銃撃戦が続いた。双方の死者は、9月下旬の戦闘開始から公式発表だけでも495人に達した。
 ナゴルノカラバフを巡る衝突は10日正午に停戦が発効したものの、双方とも相手側が停戦していないと主張、攻撃を繰り返しており、停戦合意は崩壊の危機にある。ロシアのラブロフ外相は12日、アルメニアのムナツァカニャン外相と会談し、停戦維持への努力を続ける方針を示した。

◆弾圧強化してもベラルーシでデモ

 一方、ベラルーシでは11日、8月の大統領選を機に始まった日曜恒例の反政権デモが開かれ、内務省によると710人余の身柄を拘束した。選挙直後に次ぐ大量拘束でロシア国営メディアなど40人の記者も含まれている。
 ベラルーシメディアによると、治安部隊は放水や威嚇射撃をするなど弾圧を強化。政権がデモ長期化にいら立っているとみられ、市民も投石で対抗する異例の展開になった。ロシアのプーチン大統領はベラルーシに対し、ルカシェンコ大統領の支持を表明、デモが過激化した場合は武力介入も辞さない方針を示してきたが、その効果がみられない状況だ。
 カーネギー財団モスクワ・センターのトレーニン所長は、ナゴルノカラバフやベラルーシの情勢について「旧ソ連構成国の脆弱さに加え、地域秩序を保つ勢力としてのロシアの限界がうかがえる」とツイッターで分析している。

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