学術会議6人除外、事前に首相認識か 杉田副長官が決定に関与

2020年10月13日 06時00分
 日本学術会議の新会員任命拒否問題に関し、加藤勝信官房長官は12日、菅義偉首相が「見ていない」とした学術会議からの推薦候補者名簿が、参考資料として決裁文書に添付されていたと説明した上で、「(首相が)詳しくは見ていなかった」と釈明した。ただ、6人を除外した起案文書の作成前に、首相が内閣府から今回の「考え方」を聞いていたと説明したため、事前に除外を認識していた可能性も浮上。どのような関与をしたのか、さらなる説明が求められる事態となった。(木谷孝洋)

◆「見ていない」から修正

 政府関係者は、除外決定の過程で杉田和博官房副長官が関与していたと明らかにした。
 首相が9日の内閣記者会のインタビューで、学術会議提出の105人の推薦候補者名簿を「見ていない」と説明したことに対しては、学術会議の推薦に基づく首相の任命を定めた日本学術会議法に抵触するという見方が出ている。
 これについて、加藤氏は12日の記者会見で「推薦の案そのものを無視してやっているわけではない」と反論。推薦通りの任命義務まで課されていないという現在の政府見解を踏まえて「推薦(候補者名簿)の中から選ばれた者を決裁したのだから、適法に行われている」と強調した。
 政府側は6人の除外について、内閣府が9月24日に決裁文書を起案した段階で行われていたと説明している。加藤氏は、内閣府から起案前に「(首相に対して)考え方が説明され、共有化され、それにのっとって具体的な作業がなされた」とし、手続きが正当だと主張。ただ、誰が実際の人選に関与したかなどは「人事の話だから控える」と明らかにしなかった。

◆「首相がいつどのような判断したか」

 野党が12日に開いた会合で、立憲民主党の黒岩宇洋衆院議員は首相の発言について「推薦に基づく任命という規定に触れ、違法冒瀆ぼうとくだ」と批判。除外を首相以外が判断したとすれば「首相に加えて、政府も違法行為を犯したかもしれないという極めて深刻な問題だ」と訴えた。
 共産党の小池晃書記局長は記者会見で「首相がいつどのような判断をしたのか。全容の説明が必要だ」と語った。

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