台風19号から1年 高潮・洪水から命守れ 江戸川区、公式動画を作成し訴え

2020年10月13日 07時31分

動画の一場面。江戸川区の水害の可能性について語る片田敏孝特任教授(区提供)

 昨年の台風19号から十二日で一年。江戸川区は、関東に上陸したこの台風を振り返り、高潮や洪水から命を守るため、区民が事前に避難計画を立てておく大切さを訴える動画を作成した。ユーチューブの区公式チャンネル「えどがわ区民ニュース」で公開している。 (井上幸一)
 約二十分の動画のタイトルは「迫りくる巨大台風の脅威〜大水害から命を守る〜」。気象庁東京管区気象台の小野沢和博防災調整官や、区の防災アドバイザーで減災の専門家の片田敏孝東大大学院情報学環特任教授らにインタビューしている。
 台風19号の際は、荒川下流域で氾濫の恐れがあり、昨年十月十二日午前九時四十五分、清新町、臨海町を除く新中川以西の約二十一万世帯、四十三万二千人に対し、区は初めて避難勧告を発令した。
 氾濫は起きなかったが、百五施設に最大で約三万五千人が避難し、その数は東京二十三区では最多だった。
 動画の中で、小野沢さんは「台風の接近による気圧の低下、吹き寄せ効果が重なると、多大な影響を与える高波、高潮が発生することが今後考えられる」と指摘する。
 片田さんは「万が一、堤防が一カ所でも切れたら、海から無限の水が流れ込んでくる」、「区民七十万人に避難所を準備するのはかなり難しい。コロナ禍では、三密の問題がある。親戚、縁者、ホテル、職場などへの分散避難が必要」などと分析している。
 また、動画では台風19号の際、約二千五百人の避難者を受け入れた併設型の区立葛西小・中学校の様子を紹介する。
 内野雅晶統括校長は「一晩で終息できたのは幸いだった。長期化したら、区民の力を借りないと避難所を運営できない」とし、児童、生徒が在学中に学校の防災設備について学んでおく必要性を強調した。
 陸域の七割を海抜ゼロメートル地帯が占める区では昨年五月、「水害ハザードマップ」を公表。区内全ての約三十四万世帯に配布した。
 区防災危機管理課の本多吉成課長は「水害リスクについて考え、いざというときに慌てないよう、ハザードマップを活用し、避難計画を作成して」と、区民に動画の視聴を呼びかけている。

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