コロナ禍 ウズラ薫製で活路 昨秋台風浸水被害 所沢の会社、知恵絞る

2020年10月13日 07時49分

コロナ禍を機に開発した「丸ごとウズラの薫製」を紹介する本木さん=所沢市で

 昨年十月の台風19号の豪雨災害から十二日で一年。浸水被害に遭ったウズラの飼育・販売会社モトキ(所沢市)は、再建の途上でコロナ禍に見舞われた。先行きが見通せない中、本木裕一朗社長(56)は新商品で新たな販路を開拓するなど、生き残りをかけて知恵を絞る日々が続く。(加藤木信夫)
 昨年十月十二〜十三日、モトキのウズラ飼育場(日高市)は台風による高麗川の越水に襲われた。水害に備え、川面から六メートルの盛り土をした上に建てられた飼育場は床上八十センチまで浸水。ウズラ二十万羽のうち十万羽が水死した。
 再起を目指して人工繁殖でウズラの数を徐々に増やし、手応えを感じていたところ、今度はコロナ禍に見舞われた。三月末ごろには主要取引先の外食産業からの注文が、ほぼゼロに。テークアウトに活路を求めたが、売り上げは昨年の65%程度が精いっぱいという。
 一方で、苦しい中でもコロナ禍による「巣ごもり」需要に目を付け、新商品「丸ごとウズラの薫製」を開発した。ワインの搾りかすを飼料に育てたフランス原産ウズラを、ワインだるのチップでいぶすと、香り高い逸品に仕上がった。
 国内でウズラ肉は卵ほどなじみがないが、「うま味が凝縮している上、適度に脂も落ちているから、運動不足による肥満対策になるのでは」と本木さん。十一月をめどに自社ホームページでオンライン販売を始める予定で、東京・銀座のフランス料理店との商談もまとまりそうだという。
 本木さんは最近、事務所のホワイトボードに「必ず生き残る」と記した。「被災後、いろいろな人に助けてもらった恩返しが、まだできていない。会社をつぶすわけにはいかない」との思いを表した。この逆境を、取引先や消費者と共に乗り越えるつもりだ。商品などの問い合わせはモトキ=電04(2922)2696=へ。

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