LGBT資料を収集・活用 新宿に情報発信拠点「プライドハウス」

2020年10月14日 07時10分

LGBT関連資料を収集・整理した(左から)五十嵐さん、山縣さん、三橋さん=新宿区の「プライドハウス東京レガシー」で

 LGBTなど性的少数者の情報発信拠点として、新宿区新宿1に今月11日にオープンした施設「プライドハウス東京レガシー」は、関連書籍や雑誌などを保存・活用する「アーカイブ」が目玉の一つだ。資料の収集や整理に携わった当事者たちは「日本のLGBTに関するあらゆる資料を集め、いずれデジタル化して次の世代、世の中に伝えていきたい」と意気込んでいる。 (奥野斐)
 施設は、LGBTに関する日本初の常設総合センターとして、新宿通りに面したビル二階に開設。約百四十平方メートルの広さに啓発・交流イベントを行うスペースや相談室、本棚などを設置した。この企画は東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の公認プログラムにもなっている。
 アーカイブは、出生時の性別と異なる性で生きるトランスジェンダーの三橋順子さん(65)、ゲイの山縣(やまがた)真矢さん(53)、レズビアンの五十嵐ゆりさん(47)らが中心となり、半年がかりで収集本のリスト化や購入、分類ごとに整理した。
 現在は約六百冊収蔵。ジェンダー、セクシュアリティーの学術書からLGBT関係の実用書、それぞれのカテゴリーについて書かれた本、小説やコミックが並ぶ。
 一九四九年の小説「男娼(だんしょう)の森」や、七〇年代に出版された「性は変えられるか」といった本も。歌手の美輪明宏さんやエッセイストの能町みね子さんら著名人の自伝・ルポもあり、三橋さんは「若い人が『こういう人もいるんだ』と知り、自己肯定するのに重要」と意識的にそろえたという。
 明治時代の新聞記事などをまとめた「戦前期同性愛関連文献集成」を収蔵本に加えた山縣さんは「明治期にも結構、同性愛の記事があった。こうした昔の記録をまとめて読めるのもアーカイブの魅力」と語る。
 五十嵐さんは高校時代に別冊宝島の「女を愛する女たちの物語」を読み、自分と同じ人がいると知って救われたという。
 当面の収集目標は千二百冊で、資料の購入費や管理費をネットで募るクラウドファンディングを十一月十九日まで実施している。(専用サイト「READYFOR」で「LGBTQ コミュニティ・アーカイブ」と検索)
 三人は「性的少数者に関する本がこれだけまとまってあり、一般の人も気軽に見ることができる場所は他にないだろう。多くの人が学び、活用し、くつろげる場所にしたい」と語った。
 施設は、年内は月曜と金、土、日曜の午後一〜七時開館。その後は開館日や時間を増やす予定。アーカイブは閲覧のみ。利用無料。運営には五輪のスポンサー企業十四社が協賛し、三十五の個人・団体、十九の大使館が関わっている。

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