日韓関係「愛の軟着陸」

2020年10月14日 07時20分
 コロナ禍以降、ユーチューブをよく視聴するようになった。最近、気に入っているのが日韓をテーマにした二つの動画だ。
 一つは韓国に住む日本人の中年男性二人が街を練り歩く動画で、ソウル最大の繁華街である明洞(ミョンドン)がひんぱんに出てくる。視聴者から「様子を見て」と要望のあった店がコロナ禍でどうなったか訪ね歩くシーンが多い。
 観光客が激減しシャッターを下ろした店もかなりある。だが頑張って商売を続けている店の人に「日本の客が心配している」と伝えると、一様にうれしげな表情を見せる。時には二人にコーヒーを振る舞ったりする。
 日韓の若い夫婦の日常を伝える動画も面白い。知的でかわいらしい韓国人の妻と、いとおしげに話しかける夫の姿がほほ笑ましい。韓国南部の大都市、光州で高校まで暮らした彼女の日本語レベルは驚くほど高い。
 里帰りの際、お互いの親が義理の息子と娘を大切にする場面がいい。若い夫婦も「お土産は何がいいか」と懸命に悩むなど、文化の違いに戸惑いながら双方の親を気遣う。
 韓国では日本製品の不買運動が起きた。日本車の販売量はやや持ち直したが、両国関係は依然「不時着」気味だ。だが動画の中の二人組や夫婦は厳しい現状を踏まえつつ、人間同士の触れ合いを愛情込めて伝える。これこそ「愛の軟着陸」ともいうべき映像による立派な民間外交であると思う。  (富田光)

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