自民が学術会議PT初会合 軍事研究提言などの不満背景 論点すり替え批判も

2020年10月14日 20時32分
 自民党は14日、日本学術会議のあり方を検討するプロジェクトチーム(PT)の初会合を開き、民間組織などへの移行も含めた見直し論議を始めた。菅義偉首相による新会員の任命拒否問題は扱わず、政府と歩調を合わせ、組織や会員選出方法などに関する提言を年内にまとめる。政府の方針に異論を唱えてきた学術会議への不満が背景にあるが、任命拒否の説明責任を果たさず行政改革を掲げるやり方に与野党から「論点のすり替え」と批判が上がる。(川田篤志)
 会合では、出席者から学術会議の活動について「国の政策に生かされているのか」と疑問視する声や、欧米の学術機関が政府から独立していることを参考に「国際的な状況も踏まえながら、どうあるべきか検討する必要がある」といった指摘が出された。今後、週1回のペースでPTを開いて意見集約を図る。
 PT座長の塩谷立元文科相は会合後、記者団に「学術会議の役割は何なのか、疑問を感じていた」と語り、民間や非政府組織(NGO)に改組することも「1つの案」と明言。下村博文政調会長は記者会見で、任命拒否問題を受けて党PTを設置したことを示唆しつつも「今回の人事問題とは切り離して進める。(議論の)視点を変える意図はない」と強調した。
 政府側は、河野太郎行政改革担当相と井上信治科学技術担当相がそれぞれ学術会議の検証を実施。予算執行をチェックする「行政事業レビュー」を11月に行って、約10億円の予算や約50人いる事務局職員の規模の妥当性を点検する。
 政府や自民党が学術会議への「圧力」とも受け取れる対応を取るのは、推進する政策に反旗を翻されてきたという思いがあるからだ。最近でも、学術会議は2017年、軍事応用可能な基礎研究を助成する防衛省の制度を念頭に「戦争を目的とする科学の研究は絶対に行わない」とした過去の声明の継承を表明。18年には、自民党などが国内誘致を目指す次世代の加速器施設「国際リニアコライダー(ILC)」に対し、巨額な建設費などを理由に「誘致を支持するには至らない」と反対した。
 問題の核心である新会員6人の任命拒否の理由を明かさないまま、学術会議改革を打ち出すことには自民党内からも「論点のすり替えだ」(閣僚経験者)と異論がある。立憲民主党の安住淳国対委員長は国会内で記者団に「論点ずらしだ。組織解体論や予算で揺さぶるなんて権力を持つ側がやることではない」と政府、自民党の動きを批判した。

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