川崎市環境アセス審委員 推薦枠問題 「住民意見の封殺」 市民団体交流会 懸念の声、相次ぐ

2020年10月15日 07時28分

「川崎市のアセス運用は後退している」と市の対応を批判する審議会委員の町井弘明さん(左)=高津区で

 大規模開発への周辺環境への影響などを審議する川崎市環境影響評価(アセスメント)審議会の委員から公害団体などの推薦枠をなくす方針を市が示した問題を受け、市民グループによる「まちづくり・環境運動交流会」が十四日、同市高津区で開かれた。参加者からは「住民意見の封殺。公害被害をなきものにしようとする市の環境政策はおかしい」と懸念の声が相次いだ。(安藤恭子)
 アセス審の委員は一期二年で、今年十一月末に任期を迎える。委員二十人のうち五人は市医師会や川崎商工会議所、公害病患者団体と連携する「川崎から公害をなくす会」などの団体推薦だったが、市は七月、五人とも学識経験者に切り替える方針を示していた。
 この日の交流会には、環境や災害、まちづくり問題に取り組む市内十四団体の三十五人が参加。「なくす会」推薦で、アセス審議会委員を務める元高校理科教諭町井弘明さん(76)=多摩区=は「私の任期も十一月で打ち切られる。行政、事業者、専門家、住民が対等に円卓協議できる審議会であるべきだ」と訴えた。
 一九七〇年代から市臨海部の大気汚染問題に取り組んできた町井さんは、市のアセスについて「市民との対話を回避し、開発を進める道具としても機能してきた」とみる。他の参加市民からは「アセス審からの公害委員排除は、環境政策の後退につながる」「公害の実態が見えなくなる」と危ぶむ意見が相次いだ。
 交流会では今後、市長との対話と市の方針撤回を求め、市民向けのチラシなどで問題を伝えていく方針も確認された。

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