乳がん 早期発見への習慣 月1回、お風呂でチェック 10月は「啓発月間」

2020年10月15日 07時29分

乳がんの啓発のためピンクに染めたお風呂=名古屋市で

 日本の女性が最も多くかかるがん、乳がん。早期発見をすれば、治る可能性も高い。大切なのは定期的な胸のセルフチェック(自己検診)。特に入浴時に行うのがいいようだ。十月は乳がん検診の大切さを呼び掛ける「ピンクリボン月間」。銭湯などでピンク色のお風呂も楽しみながら、自分の体をチェックしてみよう。 (熊崎未奈)
 名古屋市西区の銭湯「白山温泉」では一日、風呂の湯が鮮やかなピンクに染まり、バラのような華やかな香りが漂っていた。ピンクリボンにちなんだ「ピンクバスプロジェクト」の一環。大浴場内や待合室にセルフチェックの手順を示したポスターも張られている。
 企画したのは同市の入浴剤製造販売会社「ヘルスビューティー」。松田尚子会長(61)が五年前、社長だった夫の和也さん=当時(55)=を腎臓がんで亡くしたことをきっかけに「乳がんは自分で見つけられる。お風呂を使って呼び掛けたい」と考えた。二〇一八年から、賛同した銭湯や温浴施設が同社の入浴剤を購入して開き、三回目の今年は全国二百五施設が参加。同社は売り上げの一部を日本対がん協会などに寄付する。
 国立がん研究センターによると、乳がんの患者数は増加傾向にあり、一七年は全国で約九万二千三百人が新たに診断された。うち99%は女性だが、男性も発症することがある。
 一方、乳がんは早期に発見できれば、治癒が期待できる。愛知県がんセンター副院長兼乳腺科部長の岩田広治さん(59)は「異常を見つけるためには、普段の自分の胸を知っておくことが大事」と指摘。入浴時に月一回ほど、裸で鏡も見ながらチェックすることを勧める。生理が終わった四〜五日後、乳房の張りがない柔らかい時期が最適。閉経後の人は「毎月一日」など決めるといい。
 チェック方法はまず、両腕を上げたり、腰に手をあてたりして胸を張り、乳房をよく見て、えくぼのようなへこみや赤み、腫れがないかを確認。次に、指の腹で圧迫するように脇から乳房にかけて触り、しこりや硬い部分がないかを確かめる。体にせっけんやオイルをつけて滑りやすくすると分かりやすい。
 しこりの大きさや硬さの目安について、岩田さんは「人によってさまざま。先入観は持たない方がいい」と説明。良性の腫瘍の場合もあるが、「しこりがある状態が一週間続くようなら、病院に行った方がいい」。乳首を指でつまんで絞り、血や黄色っぽい透明な液体が出たら、要注意だ。「一般の人ががんを見分けるのは難しい。おかしいと思ったら恥ずかしがらずに受診してほしい」と話す。
 四十歳以上や、乳がんや卵巣がんにかかった家族がいる人などは、乳がんの発症リスクが高いといわれる。ただ、二十〜三十代の患者もおり、年齢に関係なく、毎月のチェックを欠かさないことが大切だ。
 ◇ 
 岩田さんら専門家が乳がんの実態や治療法を講演する「日本乳癌(にゅうがん)学会学術総会」が三十一日まで、オンラインで開催されている。一般参加も可能で、一部の講演の動画はオンデマンド配信で視聴できる。三十日正午までに参加登録が必要。参加費は非学会員が三万円、患者・家族は五千円。詳細は同総会のホームページで案内している。

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