与党「あまり前例ない」も過去に例あり…事務方副長官の国会出席 学術会議問題「キーマン」隠しか

2020年10月16日 06時00分

 日本学術会議の新会員任命拒否問題で、野党が26日召集予定の臨時国会に向けて、事務方トップの杉田和博官房副長官の出席要求を強めている。6人除外の真相究明に欠かせない重要人物と見ているためだが、自民、公明両党は「あまり前例がない」と後ろ向きだ。しかし、過去には出席例があるのも事実。与党の姿勢は説明責任を果たすより、一連の経緯を熟知する「キーマン」隠しを優先しているようにも映る。(川田篤志)

◆候補の除外を首相に報告

 杉田氏は今回の人事の決定に先立ち、学術会議が推薦した105人の候補者のうち複数を任命できないと菅義偉首相に報告していたことが分かっている。
 これを受け、立憲民主党の安住淳国対委員長は、杉田氏について「なぜ6人を除外したのか説明する責任がある」として、臨時国会の審議に出席するよう主張。任命拒否問題を巡る15日の野党会合では、立民の原口一博衆院議員が「まさか、お逃げになることはないだろう」と訴えた。
 一方、自民党の森山裕国対委員長は「事務の副長官が国会に出るのはあまり前例がなく、慎重であるべきだ」と指摘。公明党幹部も「野党が『キーマンは杉田氏』というストーリーを描いているだけだ」と、応じる気配はない。

◆リクルート事件などで前例

 官房副長官で国会対応にあたるのは主に「政務」と呼ばれる自民党の衆参両院の国会議員の計2人だが、杉田氏と同じく官僚出身の「事務」でも委員会審議に出たケースはある。
 2009年3月には、西松建設の違法献金事件に絡み、「自民党議員には(捜査は)波及しない」と発言したと報じられた漆間巌氏が参院予算委員会などに計5回出席。政界を巻き込んだリクルート事件を巡っては、石原信雄氏が1988年10月の衆院特別委に呼ばれている。
 学術会議を巡る問題では、杉田氏が任命拒否の決定に関わった当事者であり、野党は引き続き、出席を求める構えだ。

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