経済か防疫か…コロナ第2波渦中の欧州 地域限定の規制に腐心

2020年10月16日 06時00分
 新型コロナウイルスの第2波が直撃している欧州で、各国が新たな封じ込め策に苦心している。厳しい規制によって経済が疲弊した今春の教訓から、感染拡大が顕著な地域に絞った規制策を打ち出す国が多い。フランスは14日、パリを含むイルドフランス地域圏と他の8都市に限定し、夜間の外出禁止令を出した。 (パリ・谷悠己、ロンドン・藤沢有哉、ベルリン・近藤晶)

◆夜間の外出禁止、職場からの帰宅は認める◇フランス

 「私たちは第2波のただ中にいる」。マクロン大統領は14日、ニュース番組でこう危機感を示し、「プライベートな時間での他者との接触が最も危険だ」と国民に訴えた。
 フランスでは10日の新規感染者が過去最多の約2万7000人を記録し、10日までの1週間の感染者は10万人を超えた。政府は夜間の飲食が最大の感染源とみて対象地域に17日から少なくとも4週間、午後9時から午前6時まで罰金付きの外出禁止令を出す一方、マクロン氏は「経済を止めてはいけない」とも述べ、夜間でも職場からの帰宅などは認める。

◆地域ごとに3段階で◇イギリス

 10日までの週間感染者がフランスに次いで多かった英国は14日、感染状況に応じて地域ごとに3段階の警戒レベルを適用する制度を始めた。
 最高レベルと判断されたリバプール地域では、現行の政府規制よりも厳しく、パブやバーのうち食事を提供しない店舗は営業停止。2番目の地域では、異なる世帯同士の面会が厳しく制限されるなどの規制強化が導入された。
 ジョンソン首相は新規感染者が約1万4000人を記録した12日の記者会見で「4週前の4倍に増えた。これらの数字は旅客機の計器盤の警告のように、われわれに向けて点滅している」と警戒を呼び掛けた。
 累計感染者が欧州最多の90万人を超すスペインでは、15日間の緊急事態宣言が出されたマドリード自治州に続きカタルーニャ自治州も14日、バーやレストランの営業休止令を発表。アラゴネス州首相代行は会見で「全面的な都市封鎖を避けるための難しい決断だ」と述べた。

◆1日の感染者数最高に◇ドイツ

 感染拡大の規模が比較的抑えられていたドイツも、1日当たりの感染者が6600人を超え、過去最高を記録。過去7日間の新規感染者が10万人当たり50人を超す「リスク地域」は、首都ベルリンのほかケルンやミュンヘンなどの主要都市に広がっている。
 連邦政府と州政府は14日、リスク地域では飲食店の営業時間を午後11時までに制限するなどの対策強化で一致。メルケル首相は記者会見で「私たちが今何をするかが、パンデミック(世界的大流行)をどう乗り切るかの決め手になる」と訴えた。
 チェコやポーランドなど東欧でも10月に入って感染者が急増。オランダもバーやレストランの営業休止措置を決めている。

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