「格差のない社会に」 認められた扶養手当、病気休暇 原告ら喜びあらわ 日本郵便訴訟

2020年10月15日 22時44分

日本郵便の待遇格差を巡る訴訟の上告審判決後、最高裁前で喜ぶ原告の浅川喜義さん(中央)=東京・最高裁前で

 日本郵便の契約社員が正社員との待遇格差を訴えた訴訟の15日の判決で、最高裁第一小法廷は原告側の訴えを全面的に認めた。記者会見した原告らは「一定の成果を勝ち取れた。格差のない社会になってほしい」と笑顔を見せた。(山田雄之、山下葉月)

◆社員だけの年末年始手当は「不合理」 心に響いた

 「正社員と同じ仕事をしていることを認めてほしかったので本当にうれしい」。東京都内で記者会見した原告団の1人、浅川喜義さん(49)は喜びをあらわにした。
 2007年6月に日本郵便に契約社員として入社し、6カ月間の契約期間を繰り返し更新。13年4カ月、正社員の配達員と同じように夜勤や早朝出勤のシフトに入り、郵便物の仕分けや配達をしてきた。
 浅川さんは年賀状シーズンの繁忙期に社員だけに与えられていた年末年始勤務手当について、最高裁が「不合理」と判断したことが最も心に響いた。「フルタイムで働いていたのに、1円も手当が付かずに差別だと思っていた」という。
 岡淳志さん(56)は、06年2月に入社。普段は配達や営業をし、年末は最長で1日12時間働く。「最も正社員と同等に働いていると実感するのに、手当が正社員にしか払われないことに疑問しかなかった」と話す。今回、年末年始勤務手当が認められたことに「非常にうれしい。日本郵便は正規も非正規も分け隔てなく対価を支払う制度を作ってほしい」と求めた。

◆「これで安心して働ける」

 宇田川朝史さん(55)は、「正社員は有給の病気休暇があるのに、僕らは無給。有給と認められてよかった。これで安心して働ける」と判決を歓迎した。
 契約社員として約13年間働いている竹内義博さん(58)は、扶養手当が認められたことに「驚きました。子育てはお金がかかるので、いろんな企業に波及してほしい」と声を弾ませる。

◆がんに苦しみながら出勤した妻 「非正規労働者も人間」

 最もうれしかったのは、病気休暇が認められたことだ。数年前、日本郵便で非正規で勤務する妻(54)が乳がんになった。妻は抗がん剤の治療で副作用に苦しみながらも出勤した。
 「病気休暇があれば安心して働ける。いつ病気になるかは誰も分からない。非正規労働者も人間で、格差はあってはならない」と力を込めた。

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