「中曽根氏への弔意」文科省の求めに56大学が弔旗・半旗 「掲揚しない」は19校
2020年10月16日 21時51分
17日に実施される内閣と自民党による故中曽根康弘元首相の合同葬に合わせ、大学院大を除く国立大82校のうち、56校が弔旗や半旗を掲揚することが共同通信の調べで分かった。19校は掲揚しないとした。文部科学省は国立大に弔意表明を求める通知を出したが、「強制しない」と明言しており、対応は分かれた。大学として黙とうするとの回答はなかった。
◆大阪大「粛々と要請に従う」
弔旗や半旗を掲揚するとした大学の多くは、理由を「文科省の通知を受けた対応」と回答。過去の首相経験者の合同葬や終戦記念日などで同様の通知があった際の前例を踏まえたとした大学もあった。大阪大は「粛々と要請に従い、掲揚する」とした。
掲揚しないとした19校は、ほとんどが合同葬の日は「土曜日で休業日のため」を理由に挙げた。検討中は3校、4校は回答しなかった。
◆東京学芸大「国立大法人は不偏不党が求められる」
掲揚しない東京学芸大は「謹んで哀悼の意を示したい」とした上で、自民党と内閣の合同葬であることから「不偏不党、公平公正であることが求められる国立大法人としては、通知にあったような対応は控えさせていただく」とした。
「大学として黙とうを行わない」と回答したのは71校。弔旗・半旗と同様に「土曜日で学内に人がいない」との理由が多かった。香川大など計4校は、職員らに通知を周知するなどした上で、黙とうするかどうかを個人の判断に任せると答えた。(共同)
弔意表明要請の通知 政府は2日、故中曽根康弘元首相の合同葬当日に各府省が弔旗を掲揚するとともに、午後2時10分に黙とうすることを閣議了解。同様の方法で哀悼の意を表するよう関係機関に協力を要望することも決めた。文科省は13日付の通知で、国立大などに弔旗の掲揚や黙とうをして弔意を表明するよう要請。都道府県教育委員会にも「参考」として同趣旨の文書を送り、市区町村教委への周知を求めた。
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