<ふくしまの10年・信金の心意気「金は銀より上」>(5)MIRAIに乗る理事長

2020年10月17日 06時29分

バッテリーバレー構想のPR役をMIRAIに期待する、ひまわり信用金庫の台正昭理事長=いわき市の同信金で

 福島県いわき市にあるひまわり信用金庫本部の駐車場を見た人はたいてい驚く。そこにはトヨタの燃料電池自動車MIRAI(ミライ)が二台並んでいる。新車価格は約一千万円。エコカー減税などを利用しても七百万円以上する高級車だ。
 台(うてな)正昭理事長自らハンドルを握って運転することもある。支店に乗っていけば振り返る人がいる。
 MIRAIだけではない。女性の渉外担当者は一人乗りの電気自動車を使っている。
 ひまわり信金が地元企業や行政と一緒に力を入れているのが「バッテリーバレー構想」だ。再生エネルギーを効率よく利用するにはリチウムイオン電池のような高性能バッテリーが必要になる。いわき市を開発、生産拠点にして、雇用を増やすことを目指している。MIRAIはそのPRに役立っている。
 同市には、東洋システムという二次電池の試験装置を製造する企業がある。この分野では世界のトップを走り、ノーベル賞を受賞した吉野彰さんが旭化成でリチウムイオン電池を開発する際にも協力したという。
 地域の実情に合わせた活動はほかにもある。二〇一四年には「ひまわりふれあい農園」を始めた。震災後に増えた市内の空き店舗や空き工場で水耕栽培をする技術を広めようとした。土地の有効利用と雇用の確保、風評被害に強い野菜作りという一石三鳥を目指した。このプロジェクトは全国信用金庫協会の「信用金庫社会貢献賞」を受賞し、今春、終了した。
 台理事長は「地域やお客さんの困りごとを解決するのが信金の仕事。提案型でなければいけない」と語った。

関連キーワード

PR情報

社会の最新ニュース

記事一覧