ハザードマップ 多摩川、野川 同時氾濫の場合 狛江市85%、浸水も

2020年10月17日 07時13分

狛江市が作製した多摩川と野川の二つの版のハザードマップを、本紙が重ねて作製したもの

 狛江市が七月に改訂し、八月に全戸配布した「洪水ハザードマップ」の多摩川氾濫版と野川氾濫版の二種類を合わせた場合、浸水想定エリアが全市域の85%に及ぶことが分かった。市は二種の「合体版」発行を一時検討したが見送った。同時氾濫の場合、市民約八万三千人のうち浸水想定地域の避難者は約七万一千人に及ぶ。市民からは「同時氾濫も想定した避難方法を明示すべきだ」との声も出ている。 (花井勝規)
 二種類のマップにはそれぞれに想定する浸水域や浸水の深さ、避難所の位置を示した。多摩川氾濫版は国土交通省京浜河川事務所が作製した洪水浸水想定区域図を基に、野川氾濫版は都作製の想定区域図を基にそれぞれ作製した。
 市安心安全課によると、多摩川氾濫時の浸水地区の想定避難者数は約五万一千人で野川氾濫時は約四万人。同時氾濫時の避難者数は重複を除き七万一千人という数字をはじいた。
 同課の担当者は合体版マップの発行を見送った理由について「それぞれの河川で想定している雨量が違うため別々にした」と説明する。
 市民の一部には「線状降水帯が長期間居座る事態も想定され、二河川の同時氾濫はけっして絵空事ではない。狭い市域には逃げ場がなく、市外への避難が必要だと市ははっきり示すべきだ」との声もある。
 全市域の面積は六・四平方キロメートル。市は公共施設十九カ所に加え、民間の商業施設にも協力を求め、水害時の避難所確保を急いでいる。ただ、コロナ禍で収容人数が大きく制限され、収容能力は計六千二百人分程度にとどまる。
 荒川と江戸川に挟まれた江戸川区の対応は真逆だ。昨年五月に作った水害ハザードマップでは、洪水や高潮が二つの河川で同時に起きたマップを前面に出した。荒川と江戸川の想定降水量は異なっている。
 区の広報担当者は「これまで経験したことがない大規模な水害時には区のほとんどが水没することが一目でわかり、より安全な区外への広域避難が必要だと訴えた」と指摘している。

狛江市が作製した多摩川ハザードマップ

狛江市が作製した野川ハザードマップ

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