「国の責任さらに追及」 鬼怒川氾濫 集団提訴から2年 原告団が裁判の現状報告 

2020年10月18日 07時14分

裁判の現状について弁護団が原告や支援者らに報告した集会=常総市で

 堤防決壊は人災−。二〇一五年九月の関東・東北水害で鬼怒川が氾濫し、住宅などが被災したのは、国の河川管理に不備があったためとして、常総市民ら約三十人が国に損害賠償を求めた裁判が水戸地裁で続いている。提訴から約二年、原告団は十七日、市内で集会を開き、参加した原告や支援者ら約四十人が「国の責任をさらに追及していく」と決意を新たにした。
 訴状などによると、鬼怒川があふれた市内の若宮戸地区では、自然の堤防の役割を果たしていた砂丘林を、国が掘削などの際に許可が必要な河川区域に指定しなかったため、民間業者が太陽光発電事業のために掘削して「無堤防」状態になった。さらに上三坂(かみみさか)地区では、堤防の高さが周囲に比べて不足していたにもかかわらず、国がかさ上げを怠り、決壊につながったと主張している。
 市民ら三十人が一八年八月、管理者の国に住宅の修繕費や慰謝料など計約三億三千五百万円の支払いを求めて水戸地裁下妻支部に提訴した。
 裁判は下妻支部から水戸地裁に移送され、口頭弁論が開かれているが、新型コロナウイルスの感染拡大で傍聴が制限されている。このため原告団は水害から五年の節目に、裁判の現状について報告する集会を企画した。
 弁護団は「裁判所に現場を見てもらいたい」などと説明。被害を立証するため、原告たちに陳述書を早期にまとめるよう求めた。二二年三月に結審し、同七月に判決が出る見通しも明らかにした。
 質疑応答では、原告の一人が「ウィンウィンの結果は出ないだろう。高齢なので生きているうちに結論が出るか不安です」と裁判の長期化を心配していた。 (林容史)

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