横浜カジノの誘致反対で2つの署名活動 どっちに署名すればいいの?

2020年10月19日 06時00分

街頭で住民投票条例制定に向けた署名集めをする団体ら=11日、横浜市西区で

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を目指す横浜市で、誘致の賛否を問う住民投票を実施するためと、市長のリコール(解職請求)を目指す2つの署名集めが同時進行で続いている。相乗効果を期待する声もあるが、「両方に署名したらどうなるのか」といった戸惑いの声も聞かれる。(丸山耀平)

◆相乗効果を期待

 「文化都市・横浜をギャンブル都市に変えるのか。これは皆で決めないといけない」。買い物客らでにぎわう週末の横浜駅西口で今月11日、市民団体「カジノの是非を決める横浜市民の会」の共同代表を務める小林節・慶応大名誉教授が声を張り上げた。
 同会はIR誘致に反対し、賛否を問う住民投票を目指している。9月に署名集めを始め、1カ月間で住民投票の直接請求に必要な有権者の50分の1を超える6万2561筆の署名を集めた。活動期限の11月4日まで続ける。
 一方、横浜市の林文子市長のリコールを目指すのは、政治団体「1人から始めるリコール運動」。代表の広越由美子さん(40)は「住民投票ではカジノは止められない。横浜に本当に必要なのは市長リコールだ」と力を込める。
 今月5日に署名集めを開始。署名活動を行う受任者約4万7000人を確保したとして、街頭での活動よりも、受任者から周囲の人たちに署名を促してもらうやり方で、期限の12月5日までに49万人分の署名を集める考えだ。
 誘致に反対する2つの団体がそれぞれ署名活動を続ける現状について、関係者の中には「分かりにくい」という声もあるが、「住民投票派」の岡田ひさし・運営委員長(75)は「カジノが問題だという思いは共通している。互いが相乗効果を発揮できるようにやっていきたい」と話す。

◆「1つ署名して満足する人もいる」

 市選挙管理委員会によると、両方に署名することも、両方の受任者になることも法的な問題はない。
 だが、横浜駅西口で住民投票を求める署名に応じた同市磯子区の無職佐野義男さん(77)は「リコールのための署名もしたいが、両方に署名したらどうなるのだろうか」と首をかしげた。記者が問題ないことを伝えると「1つ署名すればカジノが止まると思って満足する人もいる。説明がないと分からない」と語った。
 今回の署名集めには、新型コロナウイルスも影を落としている。「リコール派」の広越代表は「集団での活動に参加できない人もいるし、対面することに敏感な人もいる。適切な方法を探りながら署名を集めたい」と話した。
 IRを巡っては、国が今月、来年1~7月の予定だった自治体からの申請期間を9カ月延期することや新型コロナ対策などを盛り込んだ基本方針の修正案を公表。市は今後、事業者との対話を行い、実施方針の策定を進める。

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