小さな牧場からシンデレラストーリー デアリングタクトが史上初、無敗で牝馬3冠

2020年10月18日 21時54分

第25回秋華賞を制したデアリングタクト。右は2着のマジックキャッスル=京都競馬場で

 ◇第25回秋華賞(18日・京都11R2000メートル芝18頭、G1)
 3歳牝馬3冠レースの最終戦。1番人気のデアリングタクト(松山弘平騎乗)が2分0秒6で優勝し、史上初の無敗での牝馬3冠を達成した。桜花賞、オークスに続くG1レース3勝目となり、1着賞金1億円を獲得した。松山騎手、杉山晴紀調教師はともにこのレース初勝利。

◆デビューから5連勝

 牝馬3冠は2018年のアーモンドアイ以来6頭目で、デアリングタクトはデビューから5連勝で偉業を成し遂げた。
 中段やや後方を進んだデアリングタクトは最後の直線で鋭い末脚を発揮。半ばで先頭に立ち、10番人気のマジックキャッスルに1馬身1/4差をつけてゴール。さらに3/4馬身差の3着に9番人気のソフトフルートが入った。

◆競りでは買い手が付かず

 歴史的偉業を難なく成し遂げた。圧倒的人気を背負ったデアリングタクトを無敗の3歳牝馬3冠に導いた松山騎手は、愛馬の背で何度も拳を握る。「馬を信じるだけだった。とにかくほっとした」。重圧から解放され、言葉に実感がこもった。
 スタート直後から中団後方で脚をためた。松山騎手は「力のある馬。いいところを走らせようと思っていた」。3~4コーナーにかけて徐々に進出し、残り200メートルで加速。春の2冠のように後方から猛然と追い上げるのではなく、内回りのコースで好位から正攻法で押し切った。
 年間生産頭数は5頭ほどという家族経営の小さな牧場で生まれた。当歳時の競りで買い手がつかず、翌年1200万円で落札。1億円超の値が付くことが珍しくない世界では目立たない存在だったが、鋭い末脚を武器に高額馬をも破ってきた。
 杉山調教師は「さらに上のステージでレースをしてみたい」と、一線級の年長馬との対戦に意欲をのぞかせた。デアリングタクトのシンデレラストーリーはこれからも続くのか。期待は大きく膨らむばかりだ。

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