生活保護支援 負担重く ケースワーカー受け持ち世帯数 多摩の全26市、国標準上回る

2020年10月19日 07時12分

自転車で生活保護世帯を訪問するケースワーカー=三鷹市で

 多摩地区の二十六市と西多摩郡のすべての福祉事務所で、ケースワーカー(CW)一人当たりの受け持ち生活保護世帯数が、国の標準数を上回っていることが立川市議の調査で分かった。CWに重い負担がかかり、担当する世帯への丁寧な支援が難しい状況をうかがわせる。生活困窮者支援の現場からは、新たな生活保護を認めない動きが強まりかねないと懸念する声が出ている。(竹谷直子)
 二十六市と西多摩郡(三町一村)の九月一日時点の生活保護世帯数とCW数を山本洋輔市議(緑たちかわ)が調査した。
 CWは、生活保護費支給に関する業務や受給者への就労指導など自立支援を担う。社会福祉法はCWの標準数として、市が設置する福祉事務所で生活保護世帯八十当たり一人、都道府県が設置する郡部の福祉事務所で六十五世帯当たり一人と定めている。
 調査によると、多摩の全二十六市で担当世帯数が八十を超え、十四市で百世帯以上だった。西多摩郡も標準数を上回った。
 標準数に強制力はなく、自治体に守る義務はない。厚生労働省の担当者は「自治体ごとの事情で人員配置しているので基準に合わせてもらうようお願いするしかない」と説明する。
 八王子市の担当者はCWの不足で「業務が滞っているわけではない」と強調する。
 その上で「増員を要望しているが、市役所の職員定数があり難しい」と説明した。立川市の担当者は「事務の補助をする人を増やして負担軽減を図りたい」と語った。
 ある市で約百十世帯を受け持つCWは「一年以上会えない人もいる。回りきれない」と明かし「業務量が多いため生活保護世帯が増えることを嫌がるケースワーカーがいる。生活保護の申請を受け付ける窓口への圧力になっている可能性がある」と話した。
 一般社団法人「つくろい東京ファンド」の稲葉剛代表理事はCW不足について「ケースワーカーがオーバーワークになれば、福祉事務所全体が利用者を増やしたくないという雰囲気になる」と危惧する。非正規や外注で不足を補うことには「不安定な雇用を増やし、情報管理の点からも問題がある」と指摘する。
 山本市議は「ケースワーカーの人数適正化に向け、ほかの議員とも連携して議会でも追及していきたい」と強調している。

関連キーワード

PR情報

東京の最新ニュース

記事一覧