ミッション・イズ・ボス

2020年10月19日 07時19分
 「ミッション・イズ・ボス」
 日経産業新聞で興味深い言葉を見かけた。急成長を遂げる米半導体大手エヌビディアで使われているそうだ。ヒエラルキー(階層制)はなく、その時々に果たすべきミッション(使命、重要な任務)のもと必要な人たちが集まって仕事をするのだという。
 ミッションという上司との間では、ハラスメントも起きない。同じ目的のもと期間限定で集まったチームならば、やりがいもあって、風通しもよさそうだ。もちろんストレスのない理想郷などこの世にないだろうが。
 国連の世界幸福度ランキングで日本は順位を下げている。主観的な幸福感にもとづく。働く人ならば一日の多くの時間をすごす職場の環境が無縁ということはないだろう。
 二〇三〇年の世界のあるべき姿を十七の目標という形で示した国連のSDGs(持続可能な開発目標)の一つは「働きがいも経済成長も」。ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)がキーワードとなる。
 環境省ではやりがい向上などのため、担当外の仕事を二割まで認める方針を決めたという。中央省庁は近年、若手職員の離職の多さが問題となっている。従属ありきだった日本の組織の縦横に張り巡らされた壁に風穴をあけていくことは、ディーセント・ワークを実現し、ひいては持続可能な成長への一つの道筋のように思う。 (早川由紀美)

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