「殺すぞと言われ、抵抗しようと刺した」長男殺害の元次官が無罪を主張 東京高裁で控訴審初公判

2020年10月20日 18時18分

東京地裁、高裁などが入る裁判所合同庁舎


 東京都練馬区の自宅で昨年6月、長男を刺殺したとして殺人罪に問われた元農林水産事務次官、熊沢英昭被告(77)の控訴審初公判が20日、東京高裁(三浦透裁判長)であった。弁護側は、正当防衛だったとして無罪を訴え、懲役6年とした一審東京地裁の裁判員裁判判決は不当だと主張。検察側は控訴棄却を求めた。
 保釈中の熊沢被告はダークスーツに藍色のネクタイ姿で出廷。被告人席に座ると、机の上の資料に視線を落としながら、弁護人の説明をじっと聞いていた。
 弁護側は、熊沢被告が長男英一郎さん=当時(44)=から事件6日前に激しい暴行を受けており、事件直前に「殺すぞ」と言われたことで、抵抗しようと包丁で刺したと主張。「正当防衛か誤想防衛に当たる」と訴えた。無罪が認められない場合でも、実刑ではなく執行猶予が相当としている。
 一審で熊沢被告は起訴内容を認め、弁護側は家庭内暴力が事件の背景にあったとして、執行猶予付きの判決を求めていた。弁護側は「被告人本人には実刑に服して罪を償う意向もあったが、犯行態様の事実認定を誤った一審判決は正す必要がある」とも述べた。
 次回12月15日の公判で、被告人質問がある。
 一審判決によると、熊沢被告は昨年6月1日、練馬区の自宅で英一郎さんの首などを多数回刺し、失血死させた。(山田雄之)

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