「議事録は最も基本的な資料」公文書管理の重要性を削除 菅首相、著書改訂版で

2020年10月21日 07時55分

改訂され発売された菅首相の新書「政治家の覚悟」

 菅義偉首相が野党時代の2012年に刊行した単行本「政治家の覚悟」(文芸春秋)を改訂した新書が20日、発売された。「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然」などと公文書管理の重要性を訴える記述があった章が削除され、官房長官時代のインタビューが追加収録された。
 削除されたのは、旧民主党の政権運営を批判した単行本の第3章と第4章。第4章では、東日本大震災への対応で議事録が残されていなかったことに触れ「議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」と指摘。「歴史的な危機に対処していることへの民主党政権の意識の薄さ、国家を運営しているという責任感のなさが如実に現れています」と記した。
 菅氏が官房長官を務めた安倍政権では、森友、加計学園や「桜を見る会」の問題を巡り、公文書のずさんな管理が批判されていた。加藤勝信官房長官は20日の記者会見で、改訂版で公文書管理の重要性を削除したことに関し「政治家として出版された著書で、政府の立場でコメントするのは差し控えたい」と述べるにとどめた。
 定価1300円(税別)の単行本は、首相就任前後、インターネット通販サイトでは一時約10万円で販売されるなど高額で取引されていた。
 文春新書編集部は「特定の文言の削除を意図したものではなく、全体のバランスを考え、編集部の判断で割愛した」とコメントした。(共同)

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