菅首相、外遊終える 東・南シナ海の進出強める中国念頭の対応 

2020年10月22日 05時50分
 菅義偉首相は就任後初の外遊となるベトナム、インドネシア訪問を終えた。両国との協議は、コロナ禍で停滞した人的往来の再開に加え、防衛協力の加速が主な議題となった。外遊の間には、自衛隊が平時から艦艇や航空機を守る「武器等防護」の対象に、オーストラリア軍を加える調整の合意も発表された。いずれも東・南シナ海での進出を強める中国を念頭に置いた対応で、この海域の緊張が高まる可能性もある。(上野実輝彦)
 首相は21日のインドネシアでの記者会見で、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の一部加盟国が対立する南シナ海情勢について「(法の支配に)逆行する動きがあり懸念している」と発言。岩礁を埋め軍事拠点化を進める中国への警戒感をにじませた。
 その上で、日本の武器輸出に関する協定締結に向けベトナムと実質合意したことや、インドネシアと協議の加速で一致したことを外遊の成果に挙げた。
 ベトナムは南シナ海での領有権を巡り中国と対立。2020年のASEAN議長国でもあり、日本にとっては「戦略的利益を共有する国」(外務省幹部)だ。インドネシアとの関係について、首相は会見で「同じ海洋国。海洋の安保協力を進める」と強調した。
 外遊中に発表されたオーストラリア軍に対する武器等防護の検討も、ASEAN諸国との防衛協力と同じ問題意識に基づいている。
 岸信夫防衛相は19日、オーストラリアのレイノルズ国防相との共同記者発表で「東・南シナ海情勢については、力を背景にした一方的な現状変更の試みに強く反対する明確なメッセージを発出し、緊密な連携を維持していくことで一致した」と強調した。
 一方、中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報(英語版)は日本、ベトナム両政府が防衛協力拡大に合意したことを受け「標的は中国だ」と反発した。

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