龍城ケ丘プール跡地 公園整備 住民ら「樹林帯 伐採しないで」

2020年10月22日 07時22分

公園整備予定の樹林帯で植生などをマイクを握って説明する藤原さん(中)=平塚市で

 平塚市が進めている龍城ケ丘プール跡地を含む海岸沿いの公園整備事業を巡り、予定地近くに住む住民らが計画の見直しを訴えている。樹林帯の伐採によって津波の緩衝効果が失われ、防風や防砂などにも影響が出ることを懸念。10〜14日に市が開いた意見交換会で、市に樹林帯の保全を強く求めた。また海岸林の防災機能に詳しい専門家も市の計画を疑問視している。 (吉岡潤)
 予定地はプール跡地と東西の樹林帯を合わせた約三万平方メートル。事業者が提案した計画では、コンビニエンスストアが入る建物やバーベキュー施設、百二十台分の駐車場などを整備する。
 市によると、二〇二一年九月ごろまで設計協議を進め、同年十二月に着工、二二年十二月の供用開始を目指している。
 四回の意見交換会には、公園整備に期待する市民も含んで計八十四人が参加。樹林帯について、事業者が施設の規模や位置などを再検討して「できる限り残したい」とも説明したが、市は「国土交通省の資料によれば、事業地では樹林による津波の緩衝効果は大きく期待できない」などと従来の見解を繰り返した。
 計画に反対する参加者は「国交省の資料は予定地と前提条件が違う。市は恣意(しい)的に解釈している」と異議を唱え、「自然は残し、プール跡地に限定して整備すべきだ。ずっと市は市民の意見を無視してきた」と不満をぶつけた。住民はこれまで、計画の見直しを求めて八千筆以上の署名などを市に提出している。
 その後、地元住民グループは十八日、平塚海岸の植生に詳しく、海岸林の防災機能に知見がある横浜国立大名誉教授の藤原一絵さん(76)を招き、「いのちを守る森づくり」と題した講演会を開催。約百人が熱心に耳を傾けた。
 藤原さんは海岸林が津波の勢いを減衰させた実例を紹介。龍城ケ丘の樹林帯を評価するには調査が必要としつつ、植栽の歴史をたどり、密集具合や根の張り方などから「一定の効果はあるだろう。伐採すべきでない」との見方を示した。
 一方、市が計画で示している新たな植栽について、平塚海岸の強風下では耐えられず、「効果はゼロ」と断言。「現在の計画では市民のいのちを守ることができない」とする意見書をまとめており、市と県に提出する考えを示した。
 講演後、現地の観察会も実施。参加者に生態を解説した藤原さんは「樹林帯を残して、教育にも生かしてほしい」と語った。

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