<プロに聞く くらしとお金の相談室>イデコ どんな仕組み?

2020年10月22日 07時40分

<Q>イデコ どんな仕組み?

 52歳の会社員です。上の子ども2人が高校生と大学生になり、これから教育費がかさみます。給料は上がらず、貯金に金利もほとんどつきません。金融機関からはiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)を勧められていますが、仕組みがよく分かりません。加入できる期間は60歳未満までと聞きますが、私の場合はあと8年。今から始めてメリットがあるのでしょうか。 (東海地方在住、妻と子ども3人の5人暮らし)

<A>節税しながら資産形成 ファイナンシャルプランナー(FP)・常磐麗奈さん

 イデコは、公的年金にプラスして、老後資金をつくるための国の制度。基本的に20歳以上、60歳未満の人が利用できます。毎月一定の掛け金を積み立てて、自分で選んだ方法で運用し、60歳以降に受け取る仕組み。運用の状況によって受給額が増減します。
 大きなメリットは、節税効果。掛け金の全額が所得控除の対象となるので所得税、住民税が安くなります。例えば年収700万円で、会社員の上限額の2万3000円を毎月掛けた場合、年末調整で27万6000円の所得控除が受けられ、約8万円を節税できます。さらに、運用で得た利益には通常、約20%の税金がかかりますが、イデコの運用益には税金がかかりません。
 加入できる年齢は2022年5月から65歳未満までに引き上げられます。相談者も今から加入すれば10年以上の積み立てが可能。たとえ運用益が振るわなくても、税金面で恩恵を受けられるので検討していいと思います。ただ、国民年金に加入し続けることが条件なので、60歳以降も掛け金とともに年金保険料を支払う必要があります。
 イデコの加入期間中は金融機関などへの手数料や、投資信託の信託報酬も費用としてかかります。積み立てたお金は60歳以降にしか引き出せないので、余裕を持って、できる範囲で掛けていくことが大切です。
 加入は銀行や証券会社、保険会社などの金融機関で申し込みます。掛け金の運用方法は投資信託や定期預金、保険など、金融機関が扱う商品の中から選びます。最も種類が豊富なのが、預けたお金を専門家に運用してもらう投資信託。扱うのが株式か債券か、対象エリアが日本国内か、米国などの先進国、アジアなどの新興国、あるいは全世界かなどによって、さまざまな商品があります。
 これらの商品は日経平均株価などの指標と同じような値動きをする「インデックスファンド」、運用担当者の裁量が大きい「アクティブファンド」の2種類に分かれます。初心者の場合、アクティブは難しいので、信託報酬も安いインデックスから選ぶといいでしょう。
 一方、掛け金(元本)が保証されるのが定期預金。運用益は利息のみで、資産を増やすことはあまり期待できませんが、掛け金への節税の恩恵は受けられます。金融機関などへの手数料は発生するので、メリットがあるか慎重に検討しましょう。
 イデコは節税しながら老後資金を増やすのに効果的です。相談者の場合、これから教育費がかかるのが気になるところ。掛け金が家計を圧迫するなら無理に加入する必要はありませんが、額を抑えるなど、慎重な運用で始めてみるのもお勧めです。
<ときわ・れな> 1973年、神奈川県厚木市出身。横浜国大卒業後、投資顧問会社に12年勤めた。2017年に日本FP協会の国際資格CFPを取得。証券アナリストの資格も持つ。個人向けの家計見直し相談や、確定拠出年金の書籍、ウェブサイト記事の執筆を手掛ける。

◆<詳しく>「掛け金」決めてシミュレーション

 イデコの掛け金額は毎月5000円から1000円単位で自分で決められるが、上限額は加入者の属性によって異なる。例えば自営業者は月に6万8000円だが、会社員は企業年金の加入状況によって2万3000〜1万2000円。掛け金はいつでも停止でき、額の変更は年1回まで可能だ。
 手数料などは金融機関や運用商品によって異なるため、比較しながら検討するといい。イデコの公式サイトなどのシミュレーションを使い、年収や掛け金を入力すれば、およその節税額が分かる。
 掛け金と運用益は60歳以降、老齢給付金として受給する。一括で70歳までに受け取るほか、年金として分割で受給することもできる。一括の場合は退職所得控除、年金なら公的年金等控除の対象となる。加入期間が10年に満たない場合、受給を始められる年齢が61〜65歳に繰り下げられるため、注意したい。
 イデコの実施機関・国民年金基金連合会によると、8月時点の加入者は約169万人。 (河郷丈史)

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