「今年のハロウィーンは渋谷に来ないで」コロナ対策で区長がお願い

2020年10月22日 18時55分
 渋谷駅周辺に多くの若者らが集まる31日のハロウィーンを前に、東京都渋谷区の長谷部健区長は22日、区役所で会見し、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため「ぜひご自宅で楽しんで」と、来訪自粛を呼びかけた。

街に掲げる旗を持って「集まらないハロウィーン」を呼びかける長谷部健区長=22日、渋谷区役所で

 一昨年のハロウィーンでは、酒に酔った若者らが軽トラックを横転させるなどトラブルが相次いだ。このため区は昨年施行した条例で、期間中の一部時間帯は駅周辺の路上や公園での飲酒を禁じ、週末と当日に100人以上の警備員を動員するなど約1億円をかけて対策をしたが、暴行や痴漢などで逮捕者が出た。
 区によると、今年は当日に限り警備員約100人を動員する。昨年同様、区職員による見回りやコンビニなどへ酒類の販売自粛要請をするほか、条例に基づき週末や当日の夜間・早朝の路上飲酒を禁じる。対策費は、昨年の半分ほどに縮小する見込みという。

昨年のハロウィーンで、仮装を楽しむ人らでにぎわった渋谷のスクランブル交差点=2019年10月26日、東京都渋谷区で

 長谷部区長は「来なくても渋谷への愛情を深め、楽しんで」と述べ、アプリを使い、渋谷の街を楽しめる区公認の仮想空間「バーチャル渋谷」の活用を勧めた。26~31日には、仮想空間上のキャラクター(アバター)の仮装コンテストといったイベントもある。また、長谷部区長は「飲食店などを楽しむ分には問題ない」と説明した。
 渋谷センター商店街振興組合の小野寿幸理事長は「われわれも同じ考えだ。大勢来てクラスター(感染者集団)が発生すれば渋谷のイメージが悪くなる。ここ数年の大騒ぎや朝までの路上座り込み、ごみの散らかしなどの迷惑行為には困惑している。マナーを守り子どもも楽しめる本来の姿に戻ってほしい」と語った。
 渋谷駅近くにいた美容師の男性(38)は「今年ばかりは感染が心配なので集まらない方がいい。自分もネット上などで楽しみたい」。ハチ公前では、千葉県松戸市の女子高生(18)が「感染も暴れる人も怖い。言わないと来ちゃうので呼びかけは大事だ」と話した。(岩岡千景)

◆警視庁は警戒緩めず「自粛疲れで人手増も」

 警視庁は、渋谷駅周辺で混雑し過ぎたりトラブルが生じたりしないよう、これまで機動隊員らが数100人規模で雑踏警備や交通整理などに当たってきた。今年はコロナ禍で人出が減る可能性もあるが、警戒を緩めていない。

昨年のハロウィーンで、仮装を楽しむ人らでにぎわった渋谷のスクランブル交差点

 渋谷駅周辺では近年、ハロウィーンに合わせて仮装した若者や外国人が多数訪れることが恒例化し、一部が暴徒化することも。同庁は一昨年の軽トラック横転事件を起こした外国人を含む十数人を、暴力行為法違反(集団的器物損壊)容疑で立件。昨年は10月31日夜から翌11月1日未明にかけ、痴漢や窃盗、公務執行妨害などの容疑で男9人を逮捕した。
 今年はハロウィーン当日の31日が土曜日。例年の週末なら人出増が見込まれるが、コロナ禍での外出控えや、訪日外国人の大幅減少で参加者の抑制につながるとみられる。ただ「自粛疲れ」などから人出が増える可能性も残る。
 警視庁の今年の態勢は直前に固まるが、軽妙な語り口で歩行者らを誘導する「DJポリス」が現地に控え、必要に応じて交通規制を敷く態勢も整えるとみられる。(佐藤大)

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