アメリカ大統領選の結果いつ決まる?トランプ氏が描く「大逆転」のシナリオ 郵便不正を主張し法廷闘争も

2020年11月6日 12時28分
 11月3日の米大統領選では民主党のバイデン前副大統領(77)が各州の投票でもし勝っても、共和党のトランプ大統領(74)が敗北を認めず強引に再選を果たす民主党にとっての「悪夢のシナリオ」(米メディア)がささやかれている。郵便投票の不正を主張し訴訟に持ち込み、憲法の規定を都合よく駆使することで結果を書き換える筋書きだ。どんな可能性があるのか。(ワシントン・金杉貴雄)

◆郵便投票に疑義訴え勝利宣言

 大統領選は、州ごとに1票でも多い候補が各州に割り当てられた「大統領選挙人」を総取りする方式だ(一部の州を除く)。全選挙人の過半数270人を獲得した候補が当選する。今回は郵便投票が激増し、特に新型コロナウイルスに警戒感が強い民主党支持者が多く利用するとみられる。
 仮に、大接戦の末に最終的に東部ペンシルベニア州(選挙人20人)の結果が勝敗を決することになったと想定する。
 同州の郵便投票は投開票日3日後の到着まで有効。開票では当初トランプ氏がリードしても、郵便投票の集計が進むとバイデン氏が逆転する展開も予想される。

米南部ノースカロライナ州で9月、郵便投票の準備をする選挙管理事務所=AP・共同

 トランプ氏はこの場合、「郵便投票は不正の疑いがある」と直接投票の得票をもとに勝利を宣言し、州を相手取り、郵便投票の有効性などを巡る訴訟を起こす可能性がある。

◆憲法根拠に有利な選挙人選ぶ

 選挙人は12月14日に州ごとに集まり投票し、結果を連邦議会に送付する必要がある。しかし、法的な争いがもつれて確定しない場合、共和党多数の州議会が有権者の投票を度外視し、トランプ氏を勝者とする選挙人を任命する案が共和党内で浮上している。合衆国憲法2章「各州は、その立法部が指示する方法で選挙人を任命する」との規定が根拠にある。
 連邦議会で全選挙人の投票を集計する来年1月6日、上院議長を兼ねるペンス副大統領がこれを認めれば、トランプ氏が過半数を得て当選者となる。
 仮に激戦州の結果が1月6日の時点でも決着せず、トランプ、バイデン両者とも選挙人が過半数の270人に届かなかったとする。この場合、憲法修正12条の規定で、連邦議会下院が直ちに「決選投票」を行うことになる。
 下院は現時点で民主党が多数だが、この決選投票では「各州で1票」ずつを投じ、過半数の26票を争う。現在は共和党多数が26州で、このままならトランプ氏再選が決定する。

米ネブラスカ州で8月、郵便投票の書類をポストに入れる有権者=AP

 ただ、下院は大統領選と同時に全員改選で、新議員が1月3日に就任する。米メディアによると、民主党のペロシ下院議長は既に、下院での決選投票を見越して各州の下院選で多数議席を獲得するようげきを飛ばしている。

◆200年ぶりの下院決戦投票も

 下院で決選投票が行われれば、1824年以来で約200年ぶりだ。
 政権移行に詳しい米バーグルエン研究所のニルス・ギルマン計画担当副代表は「大統領選が僅差なら、あらゆる可能性がある。もし有権者の投票とは異なる結果になれば、米国民の民主主義への信頼は壊滅するだろう」と懸念している。

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