視覚障害者、線路に下りて対処法を学ぶ ホームから転落、死亡事故相次ぎ

2020年10月22日 21時51分

視覚障害者向けに開かれた体験会で、線路に下りてホームの高さなどを確認する参加者(手前)=JR品川駅で

 
 視覚障害者が駅のホームから転落する事故が相次いだことを受け、東京都盲人福祉協会(都盲協)とJR東日本東京支社は22日、品川駅(港区)の臨時ホームで、視覚障害者にホームから線路に下りてもらい、避難する手順を学ぶ安全講習を開いた。JR東が都内で同様の講習を開くのは初めて。(井上真典)
 今年1月と7月にJR日暮里駅(荒川区)と阿佐ケ谷駅(杉並区)で、ホームから転落した視覚障害者が列車に接触して亡くなる事故が起き、都盲協が同社に安全講習の実施を要望していた。
 都盲協の会員30人が参加。線路からホームまでの高さは約110センチあり、参加者は線路に立ってホームに手を置いたり、停車中の列車にじかに触れたりして車両の構造を確認した。
 全盲で身長146センチの西山春子さん(76)=杉並区=は線路上に立ってもホームに顔半分が出るのみ。「こんなに高いとは。上るのは絶対無理」と話した。ホームに上るはしご状の鉄棒にも足をかけたが、上れなかった。
 同社の社員は「大声で助けを呼んでください」「無理に上ろうとせず、ホーム下に空間がある駅では、そこに避難してください」と説明した。不安そうに聞いていた西山さんは「転落したら方向感覚を失う。電車がいつ来るかパニックになるのではないか。落ちないように対策を立ててもらうのが一番」と話した。ただ、ホームによっては避難用の空間がない場所もある。同社は、ホーム下空間の設置率を確認できていないという。
 JR東は駅の利用者に対し、線路へ転落した人がいたら、すぐにホーム上にある列車の非常停止ボタンを押すよう呼び掛けている。
 国土交通省によると、全国で2011~19年度に視覚障害者がホームから転落した事故は計687件あり、うち列車に接触し、16人が死亡した。

関連キーワード

PR情報

主要ニュースの最新ニュース

記事一覧