県内自治体の洪水ハザードマップ 作成・公表は4割にとどまる 豪雨から1年、情報提供に遅れ

2020年10月23日 07時11分

大雨で近くの一宮川が氾濫し、水が流れ込んだ住宅街=2019年10月25日、長柄町で(住民提供)

 県は、県内の主要河川の浸水想定して洪水ハザードマップ(避難地図)を作成・公表している県内自治体の割合が9月末時点で4割程度と、全国平均の52%を下回っていると明らかにした。県による土砂災害警戒区域の指定率も53%(6月末現在)で、愛媛県の48%に次ぐ全国ワースト2位。県内で11人が犠牲となった記録的豪雨から25日で1年となるが、防災に必要な住民への基礎情報の提供は依然として遅れている。 (中谷秀樹)
 記録的豪雨では、洪水で流されるなどで七人、土砂災害で四人が死亡した。長柄町では男性二人が車両が水没して死亡したが、現場はいずれも町のハザードマップで浸水想定区域外だった。マップは県公表の浸水想定区域に基づき自治体が作成するが、二〇一五年の水防法改正を受け、県による「千年に一度の大雨」を想定した想定区域の見直しがされていなかった。
 県は今年五月末までに県管理の主要二十六河川と支川を加えた計百二十河川の新想定区域を公表。だが、避難経路や避難場所などの情報を盛り込んだマップ作成は、対象河川がない鋸南町を除く五十三市町村のうち二十二市町村にとどまる。県によると、財政面や人手不足などが理由という。
 一方、土砂災害警戒区域の指定は、崩落などの危険性が認められた全一万九百八十カ所で基礎調査を終えた。土砂災害で死者が出た現場三カ所のうち、千葉市緑区板倉町と市原市郡本は、今年九月に指定が完了。当時は調査対象外で二人が死亡した千葉市緑区誉田町は危険性が確認され、本年度中に指定される予定だ。県の担当者は「地権者や住民に丁寧な説明が求められ、指定完了に一定の時間を要する」と説明した。

関連キーワード

PR情報

千葉の最新ニュース

記事一覧