県庁昭和庁舎が映画の舞台に ベネチア銀獅子賞「スパイの妻」 重厚な柱やアーチ、理想的な空間演出

2020年10月23日 07時13分

昭和庁舎で撮影されたシーン©2020 NHK,NEP,Incline,C&I

 今年の「ベネチア国際映画祭」で、監督賞(銀獅子賞)を受賞した黒沢清監督による「スパイの妻」の上映が全国で始まった。蒼井優さんを主演に、太平洋戦争開戦前を描いたサスペンスで、昭和初期に建てられた国登録有形文化財の県庁昭和庁舎(前橋市大手町)がロケ地に使われた。 (池田知之)
 昭和庁舎は一九二八(昭和三)年に完成した、鉄筋コンクリート三階建てのタイル張り洋風建築。早稲田大の大隈記念講堂(国重要文化財)、東京の日比谷公会堂、前橋市の群馬会館(国登録有形文化財)などを手掛けた建築家佐藤功一(一八七八〜一九四一年)が設計を担当した。
 一九九九年夏まで県庁舎として使われ、現在はカルチャーセンターやカフェなどが入る。一般に公開され、作品に関するポスターや写真も展示中だ。
 作品は国家秘密を知ってしまった貿易商の夫とその妻の運命を追った物語。高橋一生さんと蒼井さんが夫婦役で、東出昌大さんは憲兵分隊長の役で出演している。撮影は黒沢監督の出身地の神戸などでもあった。
 昭和庁舎での撮影は昨年十月にあり、東出さんが蒼井さんや高橋さんを取り調べする重要なシーンに使われた。スクリーンでは、重厚感ある柱やアーチ、階段などがあるホール内が映っている。
 黒沢監督は「十分な広さがあり、絶妙な位置に柱がある。大きな階段や左右に通路があるので、とても立体的な空間表現をすることができた。理想的な条件がそろった願ってもない場所だ」と話している。
 県ロケ誘致推進室の担当者は「映画を見る前や見た後、作品につながる場所にぜひ触れてほしい」と呼び掛けている。また、映画では、中之条町の四万温泉にある旅館「積善館」もロケに使われた。
 「スパイの妻」は県内ではシネマテークたかさき(高崎市)、MOVIX伊勢崎(伊勢崎市)、イオンシネマ太田(太田市)で上映している。

ロケで使われた昭和庁舎のホール=県庁で


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