絵と漢字のアート展 版画家とダウン症青年が3度目コラボ あすまで松戸

2020年10月24日 07時47分

作品に見入る大野さん(右)と黒川さん=いずれも松戸市本町のゲイツインギャラリー宇で

 ネコを題材に心温まる作風で知られる版画家大野隆司さん(69)=東京都葛飾区=と、ダウン症の黒川祥生(しょうせい)さん(30)=文京区=による、絵と漢字アートの作品展「猫月(ねこづき)展」が25日まで松戸市本町のゲイツインギャラリー宇(う)で開かれている。2人による作品展は今回で3度目。大野さんは「漢字そのものに意味はない。祥生君からあふれ出る漢字の群れが美しい」と、その芸術性にほれ込んでいる。(牧田幸夫)
 作品は黒川さんが色紙にボールペンで無数の漢字を一心不乱に書き込み、その上に大野さんがオイルパステルで月を眺めるネコのシルエットを描き、水彩絵の具で背景の空を染めた。間違った漢字も多いが、その文字列は雲の流れや渡り鳥のようにも見える。新型コロナウイルスの終息を願って、全百三十の作品で月は満月にして描いた。
 大野さんが初めて黒川さんの漢字に出合ったのは十七年ほど前。独特の文字列に「飛行機から、羊の群れが流れていくのを見ているよう。無心さがつくりだす美しさにやられた」と衝撃を受けた。「二人で一つの作品をつくりたい」と二〇一〇年と一八年に共同で作品展を開催した。
 母親の惠央(けい)さんによると、黒川さんは中学に上がったころから漢字に夢中になった。本や新聞、雑誌、辞書と、手当たり次第に漢字を拾い集めては延々と書き続けた。「最初は字の間違いを直すように注意していたが、大野さんが『直してはだめ。これは漢字ではなくアートだから』とおっしゃってくれて」。外出中も時間さえあれば、ノートを広げペンを動かしているという。
 今回の展示会に大野さんは「障害のある子をお持ちの親御さんの励みになれば。人は誰もが才能を持っている」と話す。
 作品はすべて一点三千円で販売している。午前十一時〜午後五時まで。入場無料。

作品は黒川さんが漢字を書き込み、大野さんが満月とネコを描いた

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