<ふくしまの10年・信金の心意気「金は銀より上」>(10)魔法の酒 その名は「絆舞」

2020年10月24日 07時34分

「2020絆舞」の仕込み作業 =福島県会津坂下町の曙酒造で

 「このお酒を持っていけば誰にでも会える。魔法のお酒です」。城南信用金庫(東京)の川本恭治理事長(58)が自慢する。安倍晋三前首相や各県の知事へ持っていったという。
 名前は「絆舞」。全国から集めたお米を福島県会津坂下町の曙酒造が醸造している。今年のお酒は百六十四地域の米を使って「2020(フレフレ)絆舞」と名付けた。
 魔法の力は人と会えるだけではない。曙酒造が酒かすの使い道に困っていることが伝わると、昨年、千鶏カステラ本舗(長崎県雲仙市)が日本酒カステラ「絆舞 令和」を製造した。静岡県三島市の山本食品はわさび漬けを、富山県高岡市の葵食品は「ぶり吟醸漬け」をつくった。
 それぞれ、たちばな信金(長崎県)、三島信金、高岡信金が仲介。昨年、東京の東京国際フォーラムで開かれた「よい仕事おこしフェア」の会場で販売された。
 今年のフェアは十一月五、六日に羽田空港近くの羽田イノベーションシティ屋外広場で開かれる。当初は東京国際フォーラムで開く予定だったが、新型コロナウイルスの影響で、規模を十分の一にした。代わりにインターネットの通販サイト「47CLUB(よんななくらぶ)」で「信金マンが厳選した地域の逸品」として約四百点が出品される見込みだ。
 川本理事長は「銀行は株式会社だから、株主のために利益優先。信金の経営者は赤字は駄目だけど、利益よりも、地域に貢献することが使命。そこが違う」と話す。
 福島県いわき市のひまわり信金の台正昭理事長は「地域のためにと頑張ったら震災後、選ばれる金融機関になった。地方は外部発信力が弱い。ネットワークの力は大きい」と絆の意義を強調した。 =おわり
 (井上能行・初代福島特別支局長が担当しました)
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