コロナ感染者らの差別ダメ 全国の20地方議会で条例

2020年10月25日 05時50分
 新型コロナウイルスに感染した人や医療従事者を差別や誹謗中傷から守るため、差別禁止を盛り込んだ条例を制定する自治体が増えている。本紙の調べでは、24日までに少なくとも20都県市で条例が成立した。今冬には感染再拡大も予想され、年内の制定を目指して準備する自治体もある。(太田理英子)
 感染が急拡大した4月、東京都で新型コロナ対策の条例が成立した。感染拡大防止が主な内容だったが、条文に「(感染者や医療従事者に対し)不当な差別的取扱いをしてはならない」と盛り込んだ。7、8月には、長野と岐阜、沖縄、鳥取の4県でも同様の条例が成立した。
 その後、全国的に感染者が増え、水戸市内で医療従事者の子どもが保育施設への登園自粛を求められたり、栃木県那須塩原市内で他県ナンバーの車に乗る人が罵声を浴びせられたりする問題が相次いだ。
 9月以降に成立した条例は、差別禁止に特化したものが目立ってくる。今月、福島県白河市議会は「思いやり条例」案を可決した。新型コロナを含めた全ての差別を禁じる内容で、市担当者は「コロナを契機に、性別や障害も含めた差別を取り除けるよう目指したい」と話す。
 今月、県単位で条例案を可決したのは茨城と愛知、徳島の3県。三重県も年内の条例制定を目指す。
 いずれも理念条例で罰則はないが、高崎経済大の岩崎忠教授(地方自治論)は「住民を代表する議会で守るべき規範として決定した意義は大きい」と話す。その上で、条例に合わせて「新型コロナに関する正しい知識の普及啓発、被害者への心のケアなどの支援が重要だ。刑事・民事などの法的措置の可能性をしっかり周知することで、抑止にもつながる」と指摘した。

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