スマホ式に歓迎の声「操作方法の講習会開いて」「給付や貸与も検討して」 視覚障害者の道路横断をサポート

2020年10月25日 05時50分
 視覚障害者の道路横断支援策として、警察は音響式信号機の整備を進めてきた。だが、鳴動しないよう設定された夜間や早朝に死亡事故も発生。視覚障害者団体は音響式の24時間鳴動を求める声は根強いとしつつ、スマートフォン式を歓迎する。ただ「講習会を開くなど、当事者に配慮した丁寧な対応が不可欠だ」と求めた。
 音響式の鳴動時間帯は地域の警察が視覚障害者や住民の意見を聞いて設定する。警察庁によると、午前7時から午後7時としている地域が多い。

◆ラッシュ避け、誘導音が出ない早朝に出勤

 東京都豊島区では2018年12月、横断歩道を渡っていた視覚障害者の男性が車にはねられ死亡した。日本視覚障害者団体連合によると、現場の信号は音響式だったが、男性は通勤ラッシュを避ける目的で誘導音が出ない早朝に出勤していたという。
 同連合の橋井正喜常務理事(69)は「誘導音がない信号だと、視覚障害者は命懸けで道路を渡らなければならない。いつでも鳴動するようにするなどの対策を警察に求めてきた」と強調する。
 警察庁はこれまでも夜間・早朝の対策として、白杖に貼ったテープをセンサーが検知すれば鳴動するシステムなどを導入してきた。ただ、センサーの整備費が高額であることなどから、広く普及してこなかった。
 スマホ式の機器は音響式に近い費用で設置可能で、大規模整備により民間のアプリ開発を促し、利便性や安全性を向上させたい狙いだ。音響式も並行して整備する。

◆「交差点で困っていたら、声を掛けて」

 橋井常務理事は「慣れた音響式の方がいいという声もある上、スマホ操作が難しい視覚障害者も多い。操作方法の講習会実施や、スマホの給付、貸与も検討してほしい」と要望。加えて市民に向け「交差点で困っていそうな視覚障害者がいたら、声を掛けてもらいたい」と呼び掛けた。(共同)

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